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無断観光、朝帰りで追放処分…大舞台でナゼ? 恋人と選手村を抜け出した女性スイマーだけじゃない「五輪ガッカリ事件簿」を調べてみたら
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/11 11:05
外出を理由に帰国を命じられた女子競泳のルアナ・アロンソ(パラグアイ)
選手村退去の理由になりがちな“ある要因”
もう1つ、選手村から出ざるを得ない要因として、ドーピングがある。例えばパリ五輪では女子棒高跳びのエレニ・クラウディア・ポラック(ギリシャ)から禁止薬物が検査で出たとして、臨時出場停止処分が下されている。ギリシャオリンピック委員会も「選手1人を選手村から退去させた」と発表している。
日本の選手では、平昌五輪でドーピング検査に陽性反応を示し、暫定的な資格停止処分となった事例がある。本人には一切見覚えがなかったが、潔白を証明するための行動をとることがチームに迷惑をかけるとして、処分を受け入れ選手村を退去した。その後、重大な過失はなかったと認められ、出場資格停止処分は下されず、けん責とされている。
ドーピングはさておき、それ以外の事例では「規律違反」という言葉がしばしば出てくる。オリンピックのような舞台では、海外のチームも集団としてのまとまりを重視している。
選手村は長く滞在できるように、食堂や医療施設はむろんのこと、娯楽設備を設けるなどしている。それでもずっと過ごすのはときに息苦しくもあるかもしれない。でも、だからといって「たかが飲酒程度で」と済ませることはない。
日本の選手では、このような規律違反を起こして選手村を出ざるを得なかったケースは知る限りではない。ただ、オリンピック以外の国際大会では、買春や窃盗など、さまざまな不祥事を起こして選手団から追放された選手たちがいる。どの国は、ということではなく、選手の自覚次第なのかもしれない。