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無断観光、朝帰りで追放処分…大舞台でナゼ? 恋人と選手村を抜け出した女性スイマーだけじゃない「五輪ガッカリ事件簿」を調べてみたら
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/11 11:05
外出を理由に帰国を命じられた女子競泳のルアナ・アロンソ(パラグアイ)
2021年東京五輪では、ジョージアの柔道代表2名が追放となった。男子66kg級決勝で阿部一二三に敗れたバジャ・マルグベラシビリ、73kg級決勝で大野将平に敗れたラシャ・シャフダトゥアシビリの2名の銀メダリストだ。
試合を終えた2人は、無断で選手村から外出し観光したことで、東京五輪・パラリンピック組織委員会がADカード(大会参加資格証)を剥奪。そのため競技会場や選手村に入れなくなった。自国のオリンピック委員会からの処分ではなく組織委員会からだったのは、コロナによる行動規則の影響があったからだ。
選手村の外で飲酒、朝帰りして追放処分…
2016年のリオデジャネイロ五輪では、オランダの体操代表選手が追放となった。男子のユーリ・ファンヘルダーで、選手村を離れ市内に飲みに出かけ、翌早朝に戻ったことが重大な規律違反であるとして追放処分となった。
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ファンヘルダーにとって、リオは33歳で初めてつかんだオリンピックの舞台だった。しかも予選を終えて、つり輪での決勝進出を決め、試合を控えている中での行動だ。せっかく得た機会を、自ら失ってしまった。
ただ、ジョージアの柔道家2名、マルグベラシビリは今年の世界選手権で3位となりシャフダトゥアシビリもパリ五輪に出場したように、だいたいはその後の選手生活に大きな影響を及ぼすような処分が下されることはないようだ。