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“7回制報道”が話題の日本高野連「批判が常」「内向き志向」脱却のために…担当者が語る“ネット時代の発信革命”「SNSも取り組みたい」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/08/12 17:00

“7回制報道”が話題の日本高野連「批判が常」「内向き志向」脱却のために…担当者が語る“ネット時代の発信革命”「SNSも取り組みたい」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

夏の甲子園で朝・夕方の「2部制」導入や「7回制を検討」報道など、近年の日本高野連は積極的な発信が目立つ

〈戦後、生きがいや目標を失いかけている若者のたちのためにと大会を復活させ、主体的な運営のための全国組織(全国中等学校野球連盟、現在の日本高等学校野球連盟)の立ち上げに奔走した先人たちの意志は、この「三つのF」に収斂されています。〉

「私たち自身もそうですが、なぜ日本高野連という組織ができたのかは、世間にあまり認識されていない。そこで今一度、原点に立ち戻って、日本高野連ができるに至った経緯や当時の人々の考え方をまとめておくべきだと考えたんです。複数の方に時間をかけて書いてもらって、それを文章にまとめました。

 今は多様性、多様化の時代ですから、高校野球も必要に応じて、改革すべきだと思います。そのためにもやはり創立の原点に立ち戻る必要があるのではないでしょうか」

 この「理念」こそが、今の日本高野連の在り方、立ち位置を象徴していて、今こそ目にするページとも思う。

専門家に意見をいただいて、SNS発信も

――今の高校生たちは動画や短文形式などのSNSでつながっています。野球部員も例外ではなく、日本高野連はSNSでの発信は考えていないのでしょうか?

「考えています。日本高野連としてもSNSでの発信を考え、専門家の方々に意見をいただいています。まだ時期は言えないのですが、その発信にも取り組みたいです」

 一連のネット環境の改革は、日本高野連の「ディスクロージャー(情報開示)」だと見ることができるだろう。その一方で残念ながら、都道府県の高野連の公式サイトの多くは立ち遅れている。

 理想論を言えば、パ・リーグ各球団の公式サイトのように、都道府県高野連が同一のフォーマットに統一されれば、利用者としても便利なのだが——予算や人手の関係もあって、それは難しいところだ。地方の高野連も別法人であるとはいえ、日本高野連同様、より多くの人に親切に情報発信すべく、サイトの改善に取り組んでほしいと思う。

<つづく>

#2に続く
「高校生の大谷翔平が泊まったことも」「地下室でボールの弾み具合を…」“非公開”の高校野球本部「中沢佐伯記念野球会館」には何がある?

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