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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“7回制報道”が話題の日本高野連「批判が常」「内向き志向」脱却のために…担当者が語る“ネット時代の発信革命”「SNSも取り組みたい」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/12 17:00
夏の甲子園で朝・夕方の「2部制」導入や「7回制を検討」報道など、近年の日本高野連は積極的な発信が目立つ
「日本高野連は2006年に公式サイトを立ち上げたのですが、主に加盟校、団体、関係者などの内向きへの情報発信が中心でした。春と夏の甲子園は、新聞社が共催していますので、試合速報の配信や学校、選手の情報も取材してくれますし、記録も出してくれる。そういった棲み分けのようなものができて、ここまでやってきました。
でも、最近はネットがメインの通信手段になってきました。SNSでの人の交流も盛んになってくる中で、2021年12月に就任した寶馨(たから・かおる)日本高野連会長が“もっと情報発信すべきじゃないか”と提案したのです」
会長から“何をしているか全然発信していない”と
――学校や選手の不祥事、球数を巡る問題、飛びすぎるバットに酷暑対策など、高校野球を巡る問題は数多いですが、何か問題が起きるたびに、日本高野連は社会の批判を浴びるのが常でした。
「寶会長は、就任以前から“日本高野連はこんなに色々なことに取り組んでいて、努力もしているのに、全然知られていない、高野連とはどんな組織で、何をしているかを全然発信していない”と思っていたようです。
だから就任時に “自分たちが正しいと思ってやっていることは、自分たちの手できちんと発信していかないと。昔と違って、今はこういうツールもあるのだから”と情報発信に力を入れる方針を打ち出したのです」
寶氏は1981、82年と2013、14年の2期にわたって京都大学硬式野球部の監督を務め、併せて2001年から19年までは、京都大学野球部の副部長、部長を歴任した。また学生野球関連の役員も務め、学生野球の情報発信について問題意識を有していた。外側から日本高野連を見ていて、改革の必要性を痛感していたのだろう。
井本事務局長は話を続ける。
「リニューアルの方針が決まってから、関係者やメディアの方からいろいろ意見を伺って、方向性を決めていきました。
本格的に準備が動き出したのは、去年の夏の甲子園が終わった頃からですね。もちろん、出来るだけ早くやった方がいいよ、という意見もあったのですが、我々としては何かうまいタイミングで出したいと思っていました。
ちょうど春の甲子園から、金属バットも基準変更して事務局としても情報発信の必要性を感じていましたので、このタイミングでのリニューアルになりました」
これまでは「内向き」志向が強かった
――ホームページリニューアルの「コンセプト」は、どんなものになっているのでしょうか?