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「もう十分だよ」渡邊雄太から“NBA卒業”を告げられた瞬間、涙腺が決壊した…現地記者が絞り出した感謝の言葉「6年もサバイブしたのは勲章」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT

posted2024/07/13 17:01

「もう十分だよ」渡邊雄太から“NBA卒業”を告げられた瞬間、涙腺が決壊した…現地記者が絞り出した感謝の言葉「6年もサバイブしたのは勲章」<Number Web> photograph by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

千葉ジェッツとの契約合意を発表した渡邊雄太(29歳)。パリ五輪での活躍も期待される

 日本時間7月11日、Bリーグの千葉ジェッツは渡邊の加入を発表した。背番号は1。これまでアメリカで見事な実績を残しながら、インスタグラム上で残した『また新たなプロバスケ人生を日本で一からスタートすると言う事で、背番号は「1」にしました。新しい環境での旅の始まりに本当にワクワクしています!』という言葉は渡邊らしい謙虚さを感じさせるものだった。

 Bリーグでも注目度は莫大なはずで、今後、日本でもコート内外で求められるものは多くなる。夏には母国代表の要として臨むパリ五輪という大舞台も待ち受けている。文字通り、日本バスケットボールの看板になるわけで、プレッシャーのかかる立場であることに変わりはないが、それでも心が休まることはなかったであろうアメリカでの日々よりは温かい気持ちでプレーに臨めるのではないか。

 これから先、個人的な取材機会は激減するに違いない。しばらくは定期的に接していただけに、寂しさは少なからずある。ふと思い返しても、印象的も言葉は数えきれないくらいある。最近では、“赤ちゃんだった頃に抱っこしてもらったうちの娘ももう6歳の小学生だよ”と告げた時の渡邊の笑顔が忘れられない。

「もう小学生ですか!そんな話を聞くと、やはり6年って長いんですね……」

 小さな赤ん坊が無邪気なバイリンガルの女の子に成長するほどの長い時間、渡邊はアメリカの大地で孤軍奮闘を続けてくれた。その過程で幾つかの感動的なハイライトシーンを生み出してくれた。

 サウスポースタンスから放つ美しい軌道のロングジャンパーは、日本と世界のバスケットボールシーンをつなぐ架け橋でもあった。そんなハードな旅を比較的間近で眺める1人になれたことに関し、渡邊本人に今、心からお礼が言いたい。それと同時に、今後は日本のファンに愛され、できる限り楽しく、少しでも息の長い充実したキャリアを築いていって欲しいと願わずにはいられない。

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