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「たぶん“パリパリチキン女”って呼ばれてる(笑)」人気女子レスラー・安納サオリの“意外すぎる私生活”とは? 結婚観も初告白《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/06/21 17:30
女子プロレス団体・スターダムで白いベルトの女王に君臨する安納サオリ(33歳)。そのミステリアスな素顔に迫った
「絶対不屈彼女」のキャッチフレーズが生まれた日
時折、バックステージで目にする安納には「特別」を感じさせる何かがある。だが本人によると、「控室ではポケーとしているだけ」だという。
「リングに向かう安納サオリは、しっかりスイッチオンしている。でも、オフは完全にこのままです。作っているわけじゃない」
5月18日に横浜武道館で行われた壮麗亜美との試合で、安納の記憶はぶっ飛んだ。頭を強く打ちながらも仕事をやり遂げたが、その目はさすがにトローンとしていた。
「ぜーんぜん覚えてない。ただ、勝つしかない。どこで頭打ったかもわからない」
安納はかつて豊田真奈美が使っていたジャパニーズオーシャン・スープレックスホールドで壮麗をフォールした。そして、放送席に座っていたなつぽいまでリングに呼び寄せた。
勝利の花道を戻りバックステージに消えた安納は、そこでばったりと倒れた。勝利者インタビューも無理なくらいに崩れ落ちた。それでも会見場に姿を現した。会見場を出ると、壁にもたれるようにまた崩れた。
「マイクで変なこと言わなくてよかった。そうしたら、みんなびっくりしたんじゃない?『どうした安納』って。記憶はないんですけど、体のダメージはなかった」
まさに「絶対不屈彼女」という言葉にふさわしい壮絶さだった。「デビューからずっと使っている」というこのキャッチフレーズは、いかにして生まれたのだろうか。
「なつみ(なつぽい)だったら『リングの妖精』、本間多恵だったら『特攻隊長』みたいにあるでしょう。いいのが思いつかなくて、私の特徴って何だろうと考えていたら、前に舞台が一緒だった音響さんが『サオリちゃんは不屈だよ』って。不屈っていいな、と思った。東京に1人で出てきて、悲しいことも裏切られたこともあったけど、私はあきらめない。そんな過去も思い出した。『だせえな。めちゃ漢字やんけ』と代表にはバカにされましたけど、今は『絶対不屈彼女』でよかったと思います。いい言葉だと思います」
性格もキャッチフレーズ通りだという。
「私は滅入らない。落ち込んだり、反省することはあるけれど、すぐ切り替えるんです。相手のマイナスな言葉もプラスに変える。言ってきた人に対してむかつくと思っても、『でもいい所もあったしな』と思い出して、嫌なところを消す。悪口や汚い言葉は口にしたくない。なぜなら、顔がかわいくなくなるから(笑)。厳しい言葉があっても、脳が全部変換する。もし落ち込んでも1日寝たらすっきりします。また頑張るぞー! って」