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「オオタニは彼らとは違うんだよ…」ドジャース大谷翔平にヤンキース球場職員が放った“皮肉”のワケ…徹底的なブーイングのウラに「複雑な心境」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2024/06/12 17:03
ヤンキースとの3連戦に挑んだドジャースの大谷翔平
もうひとりのスタッフが話し出した。
「ニューヨークと違いロサンゼルスは(ファンやメディアからの)プレッシャーが少ないからな。プレーするのが楽なんだよ。松井、イチロー、黒田、田中はこの街とともに戦ってきた。彼らはプレッシャーにも負けず、素晴らしい選手だった。彼らと大谷は違うんだよ」
ヤンキースにチャンスが訪れるタイミング
無理もない。恋焦がれ、相手にされなかった相手だ。だが、彼らには誤解もあると感じた。私見ではあるが、なぜ大谷がロサンゼルスの球団を選んできたのか。彼らに説明した。
「二刀流選手にとって気候は重要なポイントだと思う。ニューヨークを含めた東海岸は天候が安定しない。雨での中止や中断がたくさんある。これは二刀流の選手がプレーするには難しい条件になる。スケジュールが一定しないからね。これは大谷にはコントロールできない問題だ。だからどうしても東海岸のチームはチャンスが少なくなってしまうんだと思うよ」
彼らは黙って聞いていた。そして、こんな言葉を投げかけてきた。
「ニューヨークをホームタウンとしてプレーする可能性はないということだな」
ドジャースと10年契約があることは理解した上で返した。
「二刀流をやっている限りは難しいと思うよ。でも、もし彼が打者に専念するときがくれば、気候の問題は関係なくなる。ヤンキースにもチャンスは生まれるかもしれないね」
彼らがようやく笑った。