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明徳義塾で衝撃の事実「iPad、みんな使ってますよ」馬淵史郎が明かす“ウワサと違った”100人超え寮生活の実態「来たことない人が想像で書く」 

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井上幸太

井上幸太Kota Inoue

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posted2024/04/27 11:04

明徳義塾で衝撃の事実「iPad、みんな使ってますよ」馬淵史郎が明かす“ウワサと違った”100人超え寮生活の実態「来たことない人が想像で書く」<Number Web> photograph by Kota Inoue

高校野球の強豪・明徳義塾。「陸の孤島」とも言われるが、実態は…?

「何年かしたら、携帯もOKになる」

 聞けば、徠空らが入学した22年から解禁されたという。今では、公式戦の対戦相手が決定後、相手の映像の共有などでも活用しているとのこと。馬淵監督が続ける。

「学校側の設定で不適切なサイトとかは見れんようになっとるから、それ以外は自由時間内であれば制限してません。YouTube見たりできるんで、野球に活きる情報は入ってきますよね。うまく使えばですけど」

 スマホの所持は変わらず禁止だが、iPadの使用に関しては、練習後の食事、入浴、洗濯など、やるべきことを終えた後から消灯時間までであれば、特に制限はしていない。再び馬淵監督。

「通いの学校の子たちは持ってるわけなので、寮に入っているからといって、全部できないのも違いますよね。(現在は学校全体でNGだが)そのうち何年かしたら、携帯もOKになるんかなと思うけど」

馬淵監督が考える「寮生活の意義」

 世間でイメージされる“明徳像”と異なる現況に驚きを隠せないでいると、指揮官が補足した。

「歴史というのは変化の連続でできるからね。進化しなかったら、シーラカンスじゃないけど、絶滅しますよ。変化の中で歴史とか伝統ってできるから。まあ、歴史は年数が経ったらできるだろうけど、伝統は人間が作るものだからね。人間が作って、いいものを残す。やっぱり世の中、不変のものと可変のものがあるから。変えていくべきものは変えていった方がええと思うし、精神的な部分とか、残すものは残したらいいですよね。でも、明徳に子を預ける親からしたら、時代錯誤的なものを求めているとも思うけどね。こういう(誘惑が少ない)ところで3年間は過ごさせたいという」     

 時代に合わせて、必要なものを取り入れたり、時に緩和しながら、部のルールを「可変」させている。では、明徳義塾の寮生活における「不変のもの」とは。

【次ページ】 「変化と不変」「情と非情」のバランス

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