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大阪桐蔭春夏連覇と金足農ブームの「2018甲子園ドラフト組」最多勝は根尾昂でも吉田輝星でもなく…最多HRは万波中正〈プロ6年目24歳の明暗〉
posted2024/05/01 17:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
4月27日のDeNA戦で巨人の左腕・横川凱が今季初勝利を挙げた。この名前を見るたびに筆者が思うのは、6年前の夏の甲子園だ。
2018年の全国高等学校野球選手権大会は第100回の記念大会で、56校が甲子園に出場。金足農の吉田輝星が、初戦から決勝進出まで一人で投げ抜いた。そして決勝は春の覇者、大阪桐蔭との対戦になった。
圧倒的な戦力を擁する大阪桐蔭は、初回から吉田を攻略し3点を奪い、5回には7安打を集中させ、吉田を降板させる。吉田はすでにここまで881球を投げていた。
5回にこの吉田からセンターオーバーの本塁打を打ったのが5番遊撃手の根尾昂。大阪桐蔭の4番・藤原恭大も3安打していた。大阪桐蔭はエースの柿木蓮が完投し、13-2で圧勝。2回目の春夏連覇を果たした。
横川は柿木、内野手兼任の根尾に次ぐ3番手投手だったが、決勝では出番がなかった。
この年のドラフトで、この2チームからは、吉田輝星(日本ハム1位)、根尾昂(中日1位)、藤原恭大(ロッテ1位)、横川凱(巨人4位)、柿木蓮(日本ハム5位)と5人もの選手がドラフト指名された。吉田は4球団が競合した根尾の「外れ1位」だった。
野手から投手転向、根尾は今季まだ一軍出場なし
この世代で最も注目されたのは、根尾昂だった。筆者は翌2019年2月、沖縄県読谷村の中日の二軍春季キャンプに行ったが、根尾を一目見ようというファンで大賑わいだった。根尾はこの年引退したばかりの荒木雅博コーチのノックを受けていた。
以後も根尾はこの世代の中心にいたが、一軍に定着することができず。立浪和義監督になった2022年には外野手に転向、さらにこのシーズン中に投手転向が決まった。
今季までの通算成績は以下のようになる。
打者:134試239打41安1本20点0盗 率.172
投手:27試0勝0敗0S1H41.2回26振 率2.59
今季はまだ一軍出場がない。
オリ移籍の輝星、ケガがちの藤原、そして横川は…
翌年から有識者会議の議論が始まった「球数制限」のきっかけとなった金足農の吉田輝星は、日本ハム入団時も大いに期待された。しかし先発では結果が出ず救援に転向。2022年は51試合に登板した中で今季、トレードでオリックスに移籍、当初は中継ぎで好投したものの、最近は打ち込まれている。
通算:74試3勝9敗0S8H109回75振 率6.28
ロッテに1位入団した藤原恭大は中軸打者として期待された。昨年は103試合に出場、レギュラーまであと一歩と迫ったがオープン戦で自打球を当て右膝蓋骨を骨折して今季は未出場。怪我が多い印象だ。
通算:262試775打176安12本60点25盗 率.227