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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「野手としてやりきった感じはない」中日・根尾昂が率直に明かす、投手転向3年目の心境「自分の中では全部が繋がっている」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHaruka Sato
posted2024/03/05 11:00
キャンプで投球練習を行う根尾。大阪桐蔭から鳴り物入りで入団、プロ6年目、投手として3年目のシーズンを迎える23歳に話を聞いた
「そうですね。自分の一番の強みはストレートだと思うんですが、その精度や、いかにストレートで自分を有利に立たせられるか、ということは一番の課題だと思っています。その次に変化球の精度。1つの球種だけじゃなくて2つ、3つとどれだけ勝負球にできるか。大まかに言えばこの2つですかね」
沖縄・北谷春季キャンプのブルペンでは、対打者を想定してコースや球種を意識しながら丁寧に投球練習する姿が印象的だった。球速のみならず、昨今の若い投手が常に気にかけているデータの数値はそれほど気にしていないのだという。
「ピッチャーに転向したては速い球をただ投げていた感じだったんですが、今はしっかりバッターを見て抑えていく、ということを主眼に置いて投げています。もちろん回転数も確認していますし、球質が少し変わって回転効率がちょっと良くなった、ということなどもあります。でも今大事なのは、しっかり力が伝わっているボールが沢山投げられること。50球投げたらなるべく50球そのままいい球がいくように、という練習をずっとしています」
球種については、ストレートとフォークを軸に、実戦の中ではカットボールやスローカーブも試している。
「カットは元々あまり投げてないボールでしたが、有効になるんじゃないかな、と。自分で曲がり方もコントロールできるようにしっかり練習しています。遅いカーブも取り入れることでピッチングの幅が利くように、と思って色々と取り組んでいます」
根尾が考える投手と打者の違い
投手は“能動的”なポジションだ。打者は相手投手のボールにいかに反応するか、というところから始まるが、投手、特に先発は自分が投げなければ試合が始まらない。それは大きな重圧にも思えるが、心の持ち方はどのように変わったのだろうか。