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野手→投手への転向に「やりがいはない。必死です(笑)」中日・根尾昂に聞いた、それでも打撃練習もする理由「9番として嫌なバッターになりたい」
posted2024/03/05 11:01
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Haruka Sato
自分はどういうピッチャーを目指していきたいのか
2022年6月、根尾は立浪和義監督との話し合いの末に投手転向を決めた。シーズン半ばだったこともあり、この時点では中継ぎとして短いイニングを投げながら、引き続き野手としての練習も積んでいた。22年は最終的に登板25試合で防御率3.41。じっくりと腰を据え先発に取り組んだのは23年シーズンからだが、この先発への挑戦は、根尾自身の希望でもあったのだという。
「転向した当初は、とにかく1イニングをきっちり投げられるように、と目の前のことしか見られませんでした。心の中でそういう(先発への)思いはありましたが、そんなことは言える立場ではなかったし、まず目の前のバッターを抑えられなければその先も見えてこないということは分かっていました。でもシーズン終盤に向かっていくにつれて、自分はどういうピッチャーを目指していきたいのか、ということを考え始めたんです」
先発をやってみたい
22年10月2日、シーズン最終戦である敵地の広島戦で、根尾は先発に抜てきされた。1回は三者凡退。3番の西川龍馬(現・オリックス)には、粘られながらも9球目で空振り三振にとった。2回は4番のマクブルーム、5番の小園海斗を連続三振。3回は1死二塁のピンチを作るも、ストレートにスライダー、フォークをまじえて後続をきっちりと抑えた。
「あの経験は本当に大きかったです。抑えたことがどうの、というより、投げられたというそのことが自分にとって一番良かった。チームにとって中継ぎの役割はとても大事だし、それもやりがいのあることですが、自分にとってはそっち(先発)をやってみたいなと思ったんです」