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「関田に続くもう一人のセッターは誰か」男子バレー“最大の課題”を選手はどう思ってる? 山本龍23歳のホンネ「ブラン監督が求める役割は…」 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byNoriko Yonemushi

posted2024/02/23 11:05

「関田に続くもう一人のセッターは誰か」男子バレー“最大の課題”を選手はどう思ってる? 山本龍23歳のホンネ「ブラン監督が求める役割は…」<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

今季ディナモ・ブカレスト(ルーマニア)でプレーする山本龍。バレーボールだけでなく語学習得にも奮闘中だ

 山本がブラン監督の心をつかんだのは、東海大学4年だった2022年12月の天皇杯だった。パナソニックパンサーズとフルセットの接戦を演じ、視察していたブラン監督に試合後「Good Play!」と讃えられ、堅く握手した。

 その後、大学生主体の若手合宿に招集され、2023年度の日本代表に選出。ワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)に出場した後、アジア選手権、パリ五輪予選のメンバー入りをつかんだ。

「関田さんを助けられなくて悔しい」

 思わぬかたちで出番が回ってきたのはパリ五輪予選2日目のエジプト戦だった。

 日本は1、2セット目を連取したが、第3セットに流れが変わる。日本のスパイクが思うように通らず、第4セットも7-12とリードされた場面で、ブラン監督は関田に代えて山本をコートに送り込んだ。

 サイド陣のスパイクが決まり始め、得点が決まるたび山本はコートを走り回り、終盤1点差にまで迫った。だが惜しくも逃げ切られ、第5セットも奪われて敗れた。

 試合後、山本は悔しさをあらわにしていた。

「本当に勝ちたかった。勝ちきれなくて悔しいです。(大塚)達宣や(エバデダン・)ラリーに『雰囲気は変わったよ』と言われたんですけど、やっぱり勝ちきれんと、勝負の世界は。関田さんが絶対的司令塔でいる中で、自分がもう少しその手助けというか……。フランスとか各国のセッターは、セカンドセッターもすごくレベルが高くて、(正セッターを)助けているんですけど、今日こうやって、助けられなくて、悔しいです。自分のレベルを上げないと」

 その後の第3戦から五輪出場権を獲得した第6戦まで、セッターは関田に固定され2枚替えの機会も減った。ブラン監督は、「関田が長くコートに立ち、彼のプレーや自信を取り戻し、すべてのスパイカーのリズムを見つけて欲しい」と語っていた。

 山本もそれを理解していたと振り返る。

「自分のチームじゃないというか……やっぱり関田さんが築いてきた部分があって、その人がどんどん自分本来の感じに戻していっていたので、そこは全然いいのかなと。自分が出られないからどうこうとは思わなかったです。(関田が)悪かったら自分が出るチャンスはあったと思いますけど、徐々に上がっていったので、それは最善だったと思います」

【次ページ】 言葉の壁「自分は貯金がないんで…」

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