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「森保監督は“孤独”なのだろうか…」“謝罪→腹を割った本音後に握手”日本代表取材記者が今も気になる、ICレコーダーに残った「ある一言」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byJFA/AFLO

posted2024/02/14 17:01

「森保監督は“孤独”なのだろうか…」“謝罪→腹を割った本音後に握手”日本代表取材記者が今も気になる、ICレコーダーに残った「ある一言」<Number Web> photograph by JFA/AFLO

アジアカップ期間のトレーニング中、選手に向けて話す森保一監督

 筆者:「もし××の動画のことであるなら……出演料は××円です。周りの人に聞けば、その金額が、ビュー数とお金を稼ごうとしている人が(仕事として)受ける(のに十分な)額ではないとわかると思います。あれは、スポーツ界のことを多くの人に知ってもらうために、やっています。

 ただ、意見の齟齬はあると思います。昨日の試合について、監督はおそらく『チャレンジャーとして臨もう』と選手に向けて言ったと思いますが、それよりも他に良いメッセージがあると感じました。だから、選手から発せられた別の言葉が『W杯優勝を目指す上では必要だ』と記事には書いています。ただそこで辻褄合わせをしようとか、監督と誰かの話が違うからと揚げ足を取ろうとは思ってはいないです」

“KYな質問”をしてしまうゆえに考えること

 今大会中、それこそ切り取りようによっては監督の失言とされかねないような発言が2つあった。

 その1つについては、それを聞いた記者が「あんなことを間違えるなんて、監督は大丈夫なのか?」と冷やかしていた。ただ、それは些細な言い間違いに過ぎないと判断した。

 だから広報担当者との信頼関係にのっとって筆者は、発言が出たあと、担当者に個別にメールでそれを伝えた。揚げ足を取ることでビュー数を稼ぐようなメディアの餌食にならないように。なお、それらの場に広報は同席しているから、秘密の報告ではない。大会中に様々なところに気を配るのが広報担当者だから、全てを聞き逃さずにいられるわけではない。ただ、そうした発言が後に問題になったら、真っ先につっこまれるのは広報担当者だ。

 何より、低俗で、志の低い観点から監督の批判をしようと筆者が考えていれば――広報に伝えず、揚げ足を取るような記事にしたり、再生回数稼ぎのために動画で発信することはできる。だが、人格批判も含めて、そんなことはもっての外だ。日本スポーツ界の発展のために取材と発信を続けるという観点から、良いところは良い、悪いことは悪いと書く。その過程で、筆者が空気を読めず“KYな質問”をぶつけてしまう時もあるし、あえて空気を読まずに「これは聞かれたくないだろうな」という質問をすることもある。

これ、切ってもらってもいいですか?

 そんな想いが伝わったのかわからないが、監督からはこう言われた。

【次ページ】 本音で、腹を割って話したいという提案

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