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日本代表“アジアカップで苦戦の理由”を中村憲剛がズバリ解説「心構えがW杯とは“真逆”になる」「アジア全体のレベルアップを強く感じます」

posted2024/01/30 11:01

 
日本代表“アジアカップで苦戦の理由”を中村憲剛がズバリ解説「心構えがW杯とは“真逆”になる」「アジア全体のレベルアップを強く感じます」<Number Web> photograph by Getty Images

グループステージを2勝1敗の2位で通過した日本代表。前回のアジアカップを経験している選手はキャプテンの遠藤航をはじめ5人にとどまる

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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 独特の難しさがあるのは覚悟していた。

 独特の空気に包まれることも分かっていた。

 それにしても、アジアカップは侮れない。

 カタールで開催されているアジアカップのグループステージを、日本代表は2位で通過した。昨年6月から国際Aマッチ9連勝を飾るなど、完成度の高さを見せつけてきたチームに、いったい何が起こっているのか。自らもアジアカップに出場し、中東での試合経験も豊富な元日本代表MF中村憲剛氏に、グループステージを振り返ってもらった。(全2回の1回目/後編へ)

◆◆◆

アジアカップで苦戦が続く「3つの理由」

 アジアの戦いは、やはり簡単ではない。

 カタールで戦う日本代表を観ながら、現役時代に何度も痛感した思いを改めて噛み締めています。

 グループステージ3試合をひと言でまとめれば、「予想外」になるでしょうか。国際Aマッチで9連勝していた強さや勢いが発揮された場面は、かなり限定的だったと言えます。

 それにはいくつかの理由が考えられます。

 ひとつ目は「コンディションのばらつき」です。自チームで試合に出続けてアジアカップを迎えた選手がいれば、ケガで戦線離脱をしていた選手もいます。離脱していた選手も、その期間はまちまちです。森保一監督のもとに集まった26人全員が、「いつでもいける」という状態ではなかったのではないかと思います。

 ふたつ目は「経験」です。今回の26人のなかで、前回大会に続いて出場しているのは遠藤航、伊東純也、南野拓実、冨安健洋、堂安律の5人だけです。W杯を経験した選手は14人いますが、W杯とアジアカップでは大会における日本の立場がまったく異なります。菅原由勢、鈴木彩艶、中村敬斗らは、フル代表では初のビッグトーナメント出場です。「アジアカップがどういう大会なのか」を肌で知る選手が少なかったことも、グループステージの戦いに影響したと言えそうです。

 さらには、「立ち位置の違い」があります。

 カタールW杯でドイツとスペインを倒した日本は、挑戦者のメンタリティで臨みました。それに対して今大会の日本は、相手の挑戦を受ける立場です。試合に対する心構えが、W杯とアジアカップでは真逆になります。精神的に受け身になってはいけないと頭で分かっていても、相手の迫力を真正面から感じ、なおかつそれを跳ねのけるだけのコンディションが整っていなかったことが、ベトナム戦とイラク戦では結果と内容にダイレクトに反映されたと考えられます。

【次ページ】 「同じ敵地でもヨーロッパや南米とは空気が違う」

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