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「日本代表の中身はスカスカ」森保J酷評の韓国メディア、翌日まさかの泥沼ドローに「優勝できない」と嘆き…“アジアの難しさ”を痛感する2日間
posted2024/01/21 17:00
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
Getty Images
『日本代表の“見た目”は整っているが、中身はスカスカの“カンジョン”のようだ』
※カンジョン=日本の「おこし」に似た韓国のお菓子
サッカーアジアカップの1次リーグ第2戦で日本がイラクに1-2で敗れた翌日、韓国スポーツ紙「スポーツ朝鮮」は屈辱的な表現で試合内容を酷評した。それだけ衝撃が大きかったことに他ならないが、しかし、その夜、今度は韓国が格下のヨルダン相手に苦しんだ。
ソン・フンミンのPKで先制したが、前半のうちに2点を決められて逆転を許し、後半アディショナルタイムにオウンゴールで何とか追いついてドロー。「油断は禁物だ」と日本を教訓として警鐘を鳴らす韓国メディアもあったが、結果的には連日、厳しい見出しが躍った。
『韓日戦を考えるときではなかった。“最悪の競技力”相手のオウンゴールで値千金の引き分け』(FourFourTwoKOREA)
『得たのは勝ち点1のみ……選手交代のカードもうまく切れず』(Best Eleven)
日本の敗戦に辛口だった「スポーツ朝鮮」は『言い訳できない悲惨なパフォーマンス。このままでは優勝は難しい』と母国にも辛辣に綴っている。
“時間稼ぎ”をしないイラクに完敗
アジアで勝つ難しさを痛感した試合となったが、同時に韓国メディアの日本への注目度も実感した2日間でもあった。
まず、日本対イラク戦の論調を見てみよう。興味深かったのは「ドーハの悲劇の再来」という見出しが多かったことだ。
『日本サッカー界 鎮痛…まさかの1993年ドーハの悲劇が再現された』(SPOTVニュース)
『ドーハの悲劇・シーズン2 日本を相手にイラクが“チムデサッカー”なく完勝』(OSEN)
1993年10月28日、カタール・ドーハで行われた1994年W杯アジア最終予選のイラク戦で、日本が後半アディショナルタイムの失点で2-2の同点に追いつかれ、初のW杯出場を逃した当時の出来事を引き合いに出し、『31年前の同じ場所で、同じ相手に日本は敗北を喫した』(SPOTVニュース)と伝えた。日本サッカーの歴史を紐解くあたりに、リスペクトと関心の高さは窺える。
ちなみに見出しにある「チムデ」とは「ベッド」の韓国語で、試合中に倒れて時間稼ぎをするサッカーのことを指す表現。韓国は何度も中東国との対戦時に“チムデサッカー”を繰り返されてきたことからこのような表現を使っているのだが、今回、日本に勝利したイラクには、そうした遅延行為などが見られず、完勝を強調するメディアが多かった。