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メッシ効果で総収入169億円+スアレス加入「インテル・マイアミ」のナゾ…“2115億円大富豪兄弟”とWBC現地探訪で知った“中南米感” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byMike Ehrmann/Getty Images

posted2024/01/07 17:00

メッシ効果で総収入169億円+スアレス加入「インテル・マイアミ」のナゾ…“2115億円大富豪兄弟”とWBC現地探訪で知った“中南米感”<Number Web> photograph by Mike Ehrmann/Getty Images

メッシに加えてブスケッツ、スアレスらワールドクラスが加わったインテル・マイアミとはどんなサッカークラブなのか

 前述した通り、インテル・マイアミは2020年に初めてMLSに参加した。ところが、3月に新型コロナウィルスが拡大してリーグ戦が延期され、最終的に消化できたのは23試合だけ。ホームでの有観客試合は1試合だけで、観客はわずか2216人。9月に元アルゼンチン代表CFゴンサロ・イグアインが入団したが、9試合に出場して1得点だった。成績は東地区10位(全14チーム)、リーグ全体では19位(全26チーム)で、初のシーズンとしてはまずまずだった。

 2021年の成績は、東地区11位(全14チーム)、リーグ全体で20位(全27チーム)で初年度とほぼ同様。ようやく地元でクラブの存在が知られ始め、ホームゲームの平均観客数は1万4713人まで増えた。2022年は、東地区6位(全14チーム)、リーグ全体で12位(全28チーム)と躍進。初めてプレーオフへ進んだが、1回戦で敗退した。ただし、ホームゲームの平均観客数は約1万2613人と頭打ちだった。

“お荷物”レベルの成績がメッシによってカップ戦優勝

 昨年は、メッシが入団する7月中旬までは東地区(全15チーム)最下位に沈んでいた。しかし、リーグス・カップ(アメリカとメキシコの1部クラブが参加するカップ戦)でメッシの超人的な活躍で優勝。ただし、MLSの成績は東地区14位、リーグ全体で27位(全29チーム)だった。

 2022年にMLSで総収入が最も多かったのはロサンゼルスFCの1億1600万ドル(約164億円)で、インテル・マイアミは28チーム中12位の5600万ドル(約79億円)だった(注:2022年にJクラブで総収入が最も多かったのは浦和レッズの約81億円で、インテル・マイアミとほぼ同じだが、ロサンゼルスFCの半分以下)。

メッシ効果で観客急増、スアレスも加われば…

 昨年は、「メッシ効果」でホームゲームの平均観客数が前年比40%の約1万7678人へ急増し、総収入は2倍以上の1億2000万ドル(約169億円)程度とみられている。そして、地元メディアは、「メッシがフルシーズン戦い、スアレスも加入する今年、クラブはMLB史上最多記録を大幅に更新する2億ドル(約282億円)以上の総収入を目論んでいる」と報じている。

 スアレスを含めた元バルセロナの4人はいずれも30代中盤のベテランだが、まだまだ元気だ。今年、彼らがどんなプレーを見せ、チームはどのような成績を収めるのかが興味深い。

 その新たに加わったスアレスだが、キャリアを振り返ると“狂気”ともいえる出来事が数々あった――。

<つづきは第2回へ>

#2に続く
「初恋の女性と二度と会えない」号泣スアレス16歳が「噛みつき、W杯でゴール阻止ハンド」狂気のFWになるまで〈親友メッシと再タッグ〉

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