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久保建英が悶絶「腹にパンチ+プロレス技」の暴挙、だが観客席には「クボとソシエダに恋した」親子が…現地で見た“南スペインの情熱と闇”
posted2023/12/28 17:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
相手からの激しい攻撃に顔を歪め、うずくまる姿があった。
プロレスの技のように振り回される姿があった。
リーガ18節、年内最終節となる対カディス戦に臨んだレアル・ソシエダの久保建英は、度重なる度を超えた暴力的ファールに苦しんだ。それほどのマーク、対策が必要な選手という証左でもあるが……。
右ふくらはぎ、左前腿に貼られた大きなテーピングが身体のピークを物語っていた。それでもフル出場を果たしてソシエダの攻撃を牽引したが、後一歩まで迫ったゴールを奪うことはできず、無得点ドローで90分を終えた。
久保の影響で日本旅行をしてみたいという親子が
12月21日、アウェーで行われたこの試合を撮影するためスペイン南西部カディスを訪れた。キックオフは19時、収容人数2万1000人強のヌエボ・ミランディージャ・スタジアム上空を宵闇が覆い始めていた。
観客席最上段でソシエダのマフラーを掲げる親子を見つけた。
〈サンセバスチャンから来たんですか?〉との問いかけに「アンダルシア出身なんだ」と訛りのあるスペイン語で答えてくれた。
幼少期、1980年初頭のリーガ優勝などソシエダの黄金期を見て恋をしたという。アンダルシアで行われるソシエダの試合を中心に観戦を続け、いつの間にか息子もソシエダファンになっていた。
「昨シーズンの久保のゴールは、メインスタンドから見ていたんだ、いつまでも残って欲しい」
久保の影響で近々日本へ家族旅行してみたいと言いながら、ポーズを取ってくれた。
また、他にも敵地ながら、多くのカディスファンに交ざって久保へ声援を送るファンの姿が目についた。
開始早々、久保の顔面に相手SBの手のひらが
ゲームが開始されて程なく、センターライン近くで久保がドリブルを始めると、マークについた相手サイドバックの手のひらが久保の顔へ当たった。
この段階では、久保へのマークはいつも通り厳しいものになりそうだ、くらいにしか感じていなかったが……。