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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝優勝の大本命、駒澤大はなぜ圧倒的に強い? 2年生・伊藤蒼唯に聞いた「他大学との違い」前回は6区区間賞も「区間にこだわりはない」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2023/12/30 06:08
前回の箱根駅伝6区で初の駅伝デビューも区間賞で見事起用に応えた伊藤蒼唯。あれから1年、どのような日々を送ってきたのか
体作りと並行し、レースにあまり出場せずに夏合宿までの間は、300mや400mのショートインターバルに加え、1000m5本などロングのインターバルを入れて持久力を高めていくトレーニングをつづけた。また、通常のポイント練習は、Aチームで余裕をもってこなすことを自分に課していった。
「今季は、昨季より練習を積めているかというと、そこまでではなかったです。でも、練習の質は間違いなく上がりました。その頃、5000mのタイムが14分09秒だったのでスピードに対する不安もあったんですけど、自分が考えた練習を積み重ねていけばスピードや6区で見えた課題を克服できると思いましたし、他校の主力と競えるぐらいの力はつくだろうなと思っていました」
伊藤がその成果を披露したのが6月、日体大記録会の5000mだった。13分44秒49の自己ベストをマークし、スピード面の強化が順調に来ていることを証明した。だが、内容を見ると、2000mから3000m、3000mから4000mの間のラップが落ちていたので、「まだ、スピード持久力が足りない」と、課題の克服には至っていなかった。
「このままじゃダメだなと思い、夏合宿の取り組みを今季は変えました。1年の時は無我夢中でやることで練習がパーフェクトに出来て、自信がついたんです。でも、2年目は自分で考えて、挑戦する合宿にしようと思いました。練習の消化率みたいなのは落ちたんですけど、質的にはかなり高いものをトライしたので、力がついて個人的にはいい夏合宿を送ることができました」
吉田響に敗れ、「力がまだまだ足りない」
駅伝シーズンに入り、伊藤は地元を駆ける出雲駅伝に出走した。3区の山川拓馬(2年)から襷を受けて、4区で出走。区間3位でまとめ、出雲制覇に貢献した。つづく全日本大学駅伝では5区を駆け、惜しくも区間賞は逃したが区間2位で首位をキープ、優勝に貢献した。