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「ニッポンはエキデン中心になっている」アメリカの指導者は日本の長距離界をどう見ている?「ハーフマラソン向きの大卒ランナーが多い」 

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齋藤裕(NumberWeb編集部)

齋藤裕(NumberWeb編集部)Yu Saitou

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photograph byYuki Suenaga

posted2023/11/05 06:01

「ニッポンはエキデン中心になっている」アメリカの指導者は日本の長距離界をどう見ている?「ハーフマラソン向きの大卒ランナーが多い」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

日本では秋から冬にかけての風物詩になっている駅伝競走。マラソンもよく知るアメリカ人監督の目に駅伝はどう映っているのか。

「強いて言えば……高地トレーニングかなあ。もちろん大学ごとにやっているとは思いますが、あなたが関心を持つマラソンを念頭に置くと、持久力向上につながる『高地トレーニング』にもっと意識を持って取り組んだら、最終的なマラソンのレベルも上がるのかなと思ったりはしますね。若いアスリートにとって、高地トレーニングには間違いなく利点があると思っているので」

オンタケに行け

 多くの大学では長野県の菅平などで合宿を張っているが、フルツ監督が感嘆したのは青山学院大など一部のチームが利用している岐阜県御嶽の環境だったという。

「アメリカの五輪組織委員会にいる知り合いの高地トレーニングの専門家が、私に『オンタケに行け』と言うんです。その頃は五輪開催が決まった直後で、コロナ禍の随分前のこと。とりあえず行ってみようと、岐阜県のオンタケに視察に行ったんだけど、アメリカにあるようなクロスカントリーのコースもあって、トレーニング施設も整っていてとてもいい環境に映りました。アメリカで言えば、コロラド州のボルダーやアリゾナ州のフラッグスタッフみたいなところですよね。それで東京五輪前の事前合宿地をオンタケに決めて、オンタケで直前合宿→東京に移動というプランをアメリカのオリンピック陸上チームでは策定しました。ただ、コロナがあって、それは幻の計画になってしまって、実証的なデータも取れずじまいになってしまった。もちろん各団体それぞれの状況があると想像しますが、高地のトレーニング施設としてあそこを使わない手はないと個人的には思っています」

この前のMGCも本当に楽しんだよ!

 高所トレーニングの良さを推すフルツ監督だが、大所高所の見解を述べただけで、高みの見物というわけではない。

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