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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「ニッポンはエキデン中心になっている」アメリカの指導者は日本の長距離界をどう見ている?「ハーフマラソン向きの大卒ランナーが多い」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byYuki Suenaga
posted2023/11/05 06:01
日本では秋から冬にかけての風物詩になっている駅伝競走。マラソンもよく知るアメリカ人監督の目に駅伝はどう映っているのか。
「エキデンという日本のスポーツ、文化がもちろん大好きだし、エキデンで活躍した選手がマラソンフィールドでも活躍しているのを見られるのは嬉しいことだよね。この前のMGCもレースとして本当に楽しんだよ! スグル・オオサコ(大迫傑)は東京五輪でも入賞して、今回は惜しかったよね。五輪の枠はあと1枠と聞くし、次の五輪でも彼の走りを見てみたい」
カワウチはハンバーガーが大好きみたい
ただ、一方でもうひとりフルツ監督が推す存在がいる。それは川内優輝だ。フルツ監督はこう期待を込める。
「4位に入ったカワウチもすごいよね。大雨のレースで思い出したのは、彼が76回目の2時間20分切り(通称:サブ20)を記録したボストンのニューイヤーマラソン(2018年1月1日)。そのレースもハード……というか、マイナス17度というとてつもなくクレイジーな悪条件だったんだけど、彼は想像を上回るこれまたクレイジーなペースでゴールしてみせた。その年の4月のボストンマラソンの前にビル・ロジャース(ボストンマラソン3連覇、川内優輝をボストンマラソンに招待)と一緒にハンバーガーでも食べようよってディナーに誘ったんだ。彼はハンバーガーが大好きみたいで、ビールも少し飲んでいた。あんな走りを見せる彼と同じテーブルをともにできて、光栄だったよ。MGCでもあんなに逃げて、それでギリギリまで粘って……と、やっぱり観る者をワクワクさせる走りをしてくれたよね」
フルツ監督は最後にこう締めくくった。
「オオサコやカワウチのように、ワクワクする日本のランナーをエキデンのフィールドでもマラソンでも見られることをこれからも本当に楽しみにしているんだ。こんな話をしていたら、今から来年のイズモが楽しみになってきたよ」
<「出雲駅伝」編とあわせてお読みください>