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「何でゴロ打たんのやろ」阪神・岡田彰布監督の“怒り”に触れた3番・森下翔太…短期決戦で問われる“決断”「甲子園帰ってからやな」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/10/30 17:20
日本シリーズ第2戦、0−8で完封負けを喫した阪神・岡田彰布監督。1勝1敗のタイで本拠地・甲子園にて3戦目を迎える
惨敗の初戦から大幅に打順を入れ替えて臨んだ第2戦。抜擢した廣岡大志外野手と西野真弘内野手で先制点を奪うと、その後もマーウィン・ゴンザレス内野手の代打策もぴたりとはまり“ハチゼロ”返しの圧勝で、シリーズ成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。
「昨日の試合が本当に申し訳ないなと思いましたので、何とかやり返せて良かったなと思います。先取点がどうしても欲しかったんですけど、西野くんがよく打ってくれました」
こう語った中嶋監督はレギュラーシーズンでも136通りのオーダーを駆使して、チームを動かした。ロッテとのクライマックスシリーズも、全試合で異なるオーダーを組んで勝ち上がってきた。同監督にとって、いうならばこれは短期決戦専用の用兵ではなかったが、それでも躊躇ない決断の結果の勝利だったことは間違いないだろう。
阪神の「3番問題」をどう決断するか
そこで今度は決断を迫られるのが、阪神の岡田監督の番である。
ファンも感じているであろう「3番問題」をどう決断するか。そこに焦点が集まる。
不動のオーダーが今年の終盤の阪神の強さであったのは、誰もが認めるところだ。
近本光司外野手と中野拓夢内野手の1、2番コンビに4番の大山悠輔内野手と5番の佐藤輝明内野手、6番のシェルドン・ノイジー外野手へとつながり、坂本誠志郎捕手、木浪聖也内野手の下位打線という流れは不動で、その核の一人となってきたのが「3番」の森下翔太外野手だった。
岡田監督の怒りに触れた「打席の内容」
森下が初めて「3番」に座ったのは7月25日の巨人戦で、それ以降48試合で中野から大山に繋げる役割を任されてきている。ポストシーズンでも広島とのCSファイナルステージ3試合とも「3番・右翼」で先発。初戦では同点アーチを放つなど、それなりの結果をみせてきてもいた。
しかし、である。