プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「何でゴロ打たんのやろ」阪神・岡田彰布監督の“怒り”に触れた3番・森下翔太…短期決戦で問われる“決断”「甲子園帰ってからやな」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/10/30 17:20
日本シリーズ第2戦、0−8で完封負けを喫した阪神・岡田彰布監督。1勝1敗のタイで本拠地・甲子園にて3戦目を迎える
2戦目以降はいずれも無安打で7打数連続ノーヒットで突入した日本シリーズである。
打線が爆発した第1戦では初回の1死一塁で見逃し三振に倒れると、4回の無死一、二塁では山本由伸投手のシュートに遊ゴロ併殺打。4点を先制してなお2死一塁の4回も空振り三振に倒れ、7回の第4打席もまたまた空振り三振。9回の第5打席でようやく中前安打を放ったが、2戦目もまたまた無安打と沈黙が続いているのである。
特に岡田監督の怒りに触れたのが、打席の内容だった。
初戦の初回は2ストライクと追い込まれると、一塁奏者の中野が走ってランアンドヒットの形になったが、甘いストライクのボールに手が出ず三振ゲッツーという結果になった。ベンチに戻ると岡田監督が厳しい表情で叱責する姿がテレビにも映された。
「何でゴロ打たんのやろな」
そして第2戦。
「ずーっと森下がキーになってるからな。初回にしてもそうよ」
指揮官が振り返ったのは1回1死一塁での打席だ。フルカウントから自動エンドランとなったが簡単に右飛を打ち上げ、走者を進めることなくアウトカウントを増やしただけに終わった。
「何でゴロ打たんのやろな。エンドラン言うたら打者はゴロ転がすんとちゃうの? そういうの見えないのか。昨日の見送り三振にしてもお前、ホント初回からあれで流れが変わってしまうもんな」
シリーズのような短期決戦では打線をどう繋げるかだし、四球や進塁打などでそれができる打線になったことが、今年の阪神の強さだったはずだ。しかし森下が上位でその流れを切ってしまっている。
森下にリベンジのチャンスは与えられるのか…
第2戦の大敗後、そこに岡田監督の不満は募っていた。