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内藤哲也の激辛評価「今のSANADAには荷が重い」…18年前、“新日本の入団テスト”で明暗を分けた2人は東京ドームで何を見せるのか 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2023/10/14 17:00

内藤哲也の激辛評価「今のSANADAには荷が重い」…18年前、“新日本の入団テスト”で明暗を分けた2人は東京ドームで何を見せるのか<Number Web> photograph by Essei Hara

10月9日、両国国技館。4度目のIWGP世界ヘビー級王座の防衛に成功したSANADAは武藤敬司からベルトを受け取る

 また、サービスのつもりなのかもしれないが、興行の時間が長すぎるのは逆効果だろう。両国大会は約4時間半。第0試合から見た人は5時間も会場にいたことになる。実際に「長すぎ」という声を多く耳にした。試合後、話しながらゆっくりご飯でも食べようと思っていた人も、時間が無くなってしまった。

18年前、入門テストで明暗を分けたSANADAと内藤

「東京ドームのメインイベントは初めてなんですけど、18年前、2005年に自分は新日本プロレスの入門テストに落ちて、その時に受かったのが内藤哲也だけで、そこから18年後、落ちたSANADAがチャンピオン、受かった内藤哲也がチャレンジャー。このシチュエーションはすごくエモいなと思う。内藤さん、1月4日、楽しみにしているよ」

 SANADAはこんなことを言った。すると内藤はこう返した。

「ともにロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとして歩んできたパレハ(仲間)ではありますが、特別な思いはないですね。たしかに同じ入門テストを受けました。SANADA選手はまだ高校生だったのかな? おそらく一番若い受験者でした。ただ、やっぱオレはその入門テストに合格した人間なので、その入門テストで落ちた人間のこと、あまり印象に残ってないんですよ。彼の中では、あの入門テストに受かった内藤哲也っていう存在はすごく印象に残ったんじゃないですか。2024年1月4日東京ドーム大会のメインイベント、4年前の東京ドーム大会ではできなかった大合唱。皆様、楽しみにお待ちください」

 内藤はかつて自身のメインイベントを奪われた「経験者」だから懐疑的だが、IWGP世界戦は1月4日のメインイベントで行われるという。それでも、「またダブルメインの第1試合だったり、トリプルメインの第2試合になったりするんじゃないか」という心配が内藤の脳裏をよぎる。

 東京ドーム大会を成功させたい新日本プロレスがいろいろなものを詰め込んでくるのは容易に予想できる。結果、いくつもの“メインイベント”が浮上してもおかしくはない。内藤がこだわっている“メインイベント”は最後の試合ということだ。

「近年の新日本プロレス、棚橋、オカダ、内藤と、ありきたりのメンバーだったので、ここはSANADAがしっかり勝ってありきたりを壊したい」とSANADAは言う。

 SANADAは3月17日、後楽園ホールでの『NEW JAPAN CUP 2023』準々決勝で内藤との同門対決に勝利。試合後には「ロス・インゴにいても何も新しいものが生まれないから、今日をもってロス・インゴをやめます。自分の力で人生を切り開きたいし、そのためには自分を育ててくれたロス・インゴとも戦うべきじゃないかと感じました」と語り、タイチらの“ただの5人組”Just 5 Guysに加入した。

【次ページ】 内藤の激辛評価「ちょっと今のSANADAには荷が重い」

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