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内藤哲也の激辛評価「今のSANADAには荷が重い」…18年前、“新日本の入団テスト”で明暗を分けた2人は東京ドームで何を見せるのか
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/10/14 17:00
10月9日、両国国技館。4度目のIWGP世界ヘビー級王座の防衛に成功したSANADAは武藤敬司からベルトを受け取る
続く3月21日の長岡大会でデビッド・フィンレーを倒し、『NEW JAPAN CUP』初優勝を果たしたSANADAは、その勢いで4月8日、両国国技館でオカダ・カズチカからIWGP世界王座を奪取した。
内藤の激辛評価「ちょっと今のSANADAには荷が重い」
その後、SANADAは5月3日の福岡でロス・インゴの同門だった高橋ヒロムに勝って初防衛。6月4日の大阪ではメキシコから帰還した辻陽太の挑戦を退けた。さらに6月25日、カナダ・トロントのAEWのリングでジャック・ペリーを相手に3度目の防衛戦を敢行した。そして10月9日にはかつてのタッグパートナー、EVILにも勝つことができた。
しかし内藤はSANADAを辛辣に評価した。
「ここまでSANADAは4回防衛して、タイトルマッチでちゃんと結果を出しているという点に関しては、素晴らしいチャンピオンなのかもしれない。でも、存在感に関してはあまり上がってないような気がします。“毎日、新日本プロレス“のお客様ならまだしも、そうでないお客様に『今の新日本プロレスのチャンピオンっていったい誰だと思いますか?』って聞いた時にパっと『SANADA』という名前が出てこないような気がして、ちょっと今のSANADAには荷が重いのかなとオレは思っています」
今夏の『G1 CLIMAX 33』でSANADAは全勝でブロックを勝ち上がり決勝トーナメントに進出したが、準々決勝でEVILに敗れてしまう。さらに最終日には、EVILらと8人タッグマッチで対戦。試合後には手錠でロープに拘束されて、IWGP世界ヘビー級のベルトを強奪されてしまった。
SANADAはランバージャック・デスマッチを持ち出したが、この試合形式は名前だけ凄そうで、実はあまり面白くはない。ただリングからの脱出を防ぐためのものだからだ。過去のランバージャックで、私の中には印象的な試合は存在しない。
今回の試合はランバージャックというよりも、むしろその名を借りた無法地帯プロレスだった。EVILらの悪行にレフェリーが次々にKOされるという混沌の中、この日アメリカから凱旋してJust 5 Guysのメンバーに加入したばかりの上村優也が奮闘した。
結果、SANADAはムーンサルト2発とシャイニングウィザード3発を武藤の前で繰り出して、最後はデッドフォールでEVILを仕留めた。
内藤は「ちょっと今のSANADAには荷が重い」と言ったが、すべての答えは2024年1月4日に出る。ついにSANADAが内藤と対決するときがやってきた。