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競馬PRESSBACK NUMBER
「バゲットは約1120円…“歓迎”など日本語表示も」「クレカで馬券買える!」凱旋門賞ロンシャン探訪記…ファン視点で見て撮った
posted2023/10/08 17:00
text by
大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph by
Shintaro Okawa
大逆転の末、藤井聡太七冠が八冠に王手をかけた王座戦第3局を名古屋で取材し、深夜に永瀬拓矢王座の肉声に耳を傾け、徹夜で原稿を仕上げた。朝に東京に戻って女流名人リーグの伊藤沙恵女流四段−石本さくら女流二段戦を観戦し、その翌朝に羽田空港からフランス・パリ行きのJAL45便に搭乗した。観戦が続いて興奮していたからか、なかなか機内で眠ることができなかった。いや、パリでの大勝負が待ち切れなかったからだろう。
オルフェ、ゴルシなどの奮闘を見てきたが
世界最高峰の競馬レース、凱旋門賞を観戦する——。
学生時代には渡辺敬一郎氏の『世界の競馬場1 ヨーロッパ競馬ガイド』をバイブルに、ヨーロッパの競馬場を巡ったものだ。1997年のサクラローレルのフォワ賞(8着)、1999年のエルコンドルパサーのフォワ賞(1着)をロンシャン競馬場で観戦し、悲喜こもごもの思いをしたのは懐かしい思い出だ。
近年では凱旋門賞に3回赴いた。2013年のオルフェーヴル(2着)とキズナ(4着)、2014年のハープスター(6着)、ジャスタウェイ(8着)、ゴールドシップ(14着)、2016年のマカヒキ(14着)の奮闘を目撃したが、先頭でゴールに飛び込む姿を見ることはできなかった。
今年は日本からスルーセブンシーズが挑戦する。GI未勝利なので、戦前は「通用するか」といった議論がネット上などでも飛び交っていた。私は将棋記者であり、競馬記者ではない。専門的な分析はできないし、騎手や調教師のコメントを取ることもできない。あくまで一介の将棋記者が、他の競馬ファンと同様にロンシャン競馬場を訪れ、レースを観戦したという「探訪記」としてご笑覧いただければ幸いだ。
競馬場まで無料のシャトルバスが
10月1日、凱旋門賞を祝福するかのような爽やかで美しい青空がパリには広がっていた。最高気温は26度だが日差しが強く、長袖のシャツ1枚でも汗がにじむ。