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ラグビーPRESSBACK NUMBER
エディー・ジョーンズ「期待を背負う日本はホントにタイヘン。でも、やるしかない」…躍進のカギを握るのは“ピッチへの適応と一貫性”
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMiho Watanabe
posted2023/09/10 11:11
ラグビー日本代表について「対戦相手に警戒されるなかで、これまで以上の期待を背負う。これはホントにタイヘン」と語るエディー・ジョーンズ
「準々決勝からはスタッド・ド・フランスでの試合が続きますが、あのスタジアムはピッチがとてもウェットです。プールステージから準々決勝までは気候が暖かく、オープンな速いゲームができるでしょう。いいアタックができる環境が揃っています。それに対して準々決勝以降は、試合開始時間が17時か21時で、空気が重くなってピッチは濡れている。速い展開のゲームがどこまでできるか。セットピースとディフェンスが大事になるでしょう。日本のトーナメントではコンディションは同じでしたが、フランスでは大会が進むにつれて変わっていく。そこにも対応しなければなりません」
ピッチコンディションとの関連で気になるのはキックだ。W杯直前のテストマッチで、李承信と松田力也がキックのコントロールに苦心した。「キックはメンタル」とも言われるが、ピッチにいかに適応するのかも成功率に関わってくるのだろう。
「日本も自分たちの強みを磨いていけばいい」
最後に、日本代表の可能性についてエディーに聞く。
2019年11月2日の横浜国際総合競技場で、ウェブ・エリス・カップと呼ばれるトロフィーを掲げた南アフリカは、優勝の大本命だったのか。そうではない。前評判ではオールブラックスやイングランド、アイルランドなどの後塵を拝していたなかで、彼らは世界の頂点に立った。
だとすれば、大会前のテストマッチで1勝5敗に終わった日本が、今回も世界を驚かせることはできるはずだ。
エディーは言う。
「19年W杯前の南アフリカは、いまの我々オーストラリアと同じで、それほど強いチームではなかったですね。確か勝率は40パーセントほどだった。何が変わったかというと、コーチ陣がチームの強みにしているところ、ディフェンスの改善に注力したのです。オーストラリアも自分たちのアタッキングラグビーを磨いてW杯に臨みますし、日本も国として持っている自分たちの強みを磨いていけばいい。負けるときに何が起きるかと言えば、自分たちの強みを失った結果であることが多いのです」
W杯のために準備してきたものを、一貫性を持って遂行する。世界のトップ・オブ・トップの牙城を再び切り崩すのは簡単でないが、そのための手段は決して難しいものではない。むしろ、シンプルである。
<前編から続く>
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