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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「日本はとても向上しているけれど…」エディー・ジョーンズがラグビーW杯を展望…“もしオーストラリアが日本と対戦するなら”の答えは?
posted2023/09/10 11:10
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Miho Watanabe
19年W杯の日本は「見ていて非常に楽しかった」
ラグビーW杯の開幕を前に、あの名伯楽に聞いた。
エディー・ジョーンズである。オーストラリア生まれの彼の人生は、ラグビーW杯とともにあると言ってもいい。
2003年大会で母国の代表ワラビーズを率い、準優勝へと導いた。07年は南アフリカ代表のチームアドバイザーとして、3大会ぶり2度目の優勝に貢献した。
自身3度目のW杯となる15年大会には、日本代表の指揮官として登場した。南アフリカを破る「ブライトンの奇跡」は、エディーの猛烈なトレーニングが結実したものだった。
19年大会はイングランド代表を指揮した。史上初の外国人ヘッドコーチ(HC)として、3大会ぶりの決勝進出を果たした。
「W杯はつねに最高の瞬間です。世界一になれればもちろんいいのだけれど、そうではなくても最高の瞬間を味わうことができる。W杯へ辿り着くまでのチャレンジも、すごくいいものなんです。15年のW杯で日本が南アフリカ戦に勝ったら、次のスコットランド戦は世界で1600万人が観たと聞きました。日本でもラグビー関係者だけでなく、たくさんの人が観てくれたそうですね。オーストラリアでは、03年のW杯を国中の人が観たそうです。ホントに全員と言っていいぐらいの人たちが観たと」
19年の日本の躍進を、エディーはどのように見ていたのか。穏やかな笑みがこぼれた。
「プライドを持って見ていました。プレーは自由で、勇気もあった。見ていて非常に楽しかったですよ。15年のW杯に出場した福岡堅樹と松島幸太朗は素晴らしいウイングになっていたし、リーチマイケルはサムライスピリットを持ったウォリアー(闘士)でした。松島はW杯後にフランスへ行き、スキルを身に着けてチーム内で指導的立場にいる。彼のキャリアは日本人選手にとって素晴らしい例です」