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「日本はとても向上しているけれど…」エディー・ジョーンズがラグビーW杯を展望…“もしオーストラリアが日本と対戦するなら”の答えは? 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byMiho Watanabe

posted2023/09/10 11:10

「日本はとても向上しているけれど…」エディー・ジョーンズがラグビーW杯を展望…“もしオーストラリアが日本と対戦するなら”の答えは?<Number Web> photograph by Miho Watanabe

2015年W杯でラグビー日本代表のHCを務めた名将エディー・ジョーンズ。現在は母国オーストラリア代表を率いている

エディー率いるワラビーズと対戦する可能性も

 フランスを舞台とする今回、エディーはワラビーズを指揮する。昨年12月にイングランド代表HCを解任され、今年1月にワラビーズと契約を結んだ。

「スポーツの世界では、すべてを事前にプランするのは不可能です。もちろん、今回のW杯までイングランドを率いる契約を結んでいましたが、こういうことが起こってしまって。ひとつのドアが閉まったけれど、次のドアが開いた。次のドアが開いたときに、そのなかへ飛び込んでいくことで、また違う可能性が生まれます」

 ワラビーズの現状は厳しい。エディーの表情が厳しくなる。

「このところ、いい成績を残すことができていません。2022年はイングランドとの3連戦で1勝2敗と負け越し、オータムネーションズシリーズではイタリア、アイルランド、フランスに敗れました。南半球4カ国対抗でも、ニュージーランドに勝っていません。そういう意味で、今回のW杯はオーストラリアにとって大きなチャレンジです」

 エディー自身が采配をふるった7月以降の試合でも、ワラビーズは勝利をつかめていない。南半球4カ国対抗戦で南アフリカ、アルゼンチン、ニュージーランドに3連敗し、W杯開幕直前のフランス戦にも敗れた。

「我々が目標とするのはベスト8。プールステージではウェールズ、フィジー、ジョージア、ポルトガルと対戦しますが、どの国との試合でも勝つのが当然などと思わず、相手を恐れずに戦います」

 大会全体に目を向けてもらう。エディーは迷わずに答えた。

「ティア1と呼ばれていた世界の強豪が集まり、アルゼンチンや日本も力をつけている。これまでになく実力の伯仲した試合が多くなるでしょう。日本がプールステージで対戦するイングランド、アルゼンチンは難しい相手ですが、勝つチャンスはあるでしょう」

 オーストラリアと日本がともにプールステージを勝ち抜けば、準々決勝で激突する可能性がある。エディーは小さな声をあげて笑い、両手を組んだ。そして試合さながらの真剣な表情を浮かべる。

【次ページ】 「もう誰も、日本を見下していない」

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