酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
日本ハム新球場「駅に“徒歩約19分”とあるけど」「大谷&ダル壁画、グルメがスゴい!」“色々な評判”を現地で見た「台湾のCAさんも…」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/05/29 11:32
2023年プロ野球の話題となっているエスコンフィールドHOKKAIDO。交流戦でセ・リーグファンも多く訪れるだろう
ただナイターが終わってからの夜、2kmの道を歩いて帰るのはややつらいかもしれない。5月の北海道は、ダウンジャケットが大げさではないほど冷え込む。北広島では「熊出現」の情報はないようだが、できるだけ集団で歩きたいものだ。
新駅の建設など、アクセスの整備は今後進むだろう。
もともと北海道は車社会で、東京や大阪のように公共交通機関と徒歩で目的地まで移動する習慣があまりないことも「遠い」という評判につながっていると思う。「慣れ」という要素も必要か。
外光が差し込み、日が落ちると分かる緑の美しさ
アクセスの紹介が長くなったが、球場内に入ろう。
「Coca-Cola GATE」、「3rd BASE GATE」などの入り口があるが、これまでの球場とは異なり劇場の入り口のようで非常に華やかだ。期待感を抱かせる。チェックインもスムースだった。
吹き抜けのエントランスを通って球場に入る。
この球場は客席が他の球場よりやや暗い。その分、グラウンドが浮き上がって見える。札幌ドームもそうだったが、劇場空間として良い演出だと思う。
球場としての最大の特色は、センターバックスクリーンの背後に大きな開口部があって、日中なら外光が球場内に差し込むことだ。
他の日本のドーム球場は、サラダボウルを伏せたような形状をしていて、あとから屋根を付けたベルーナドーム(西武)を除いて外光はほとんど差し込まない。やや閉塞感があるのだが、エスコンフィールド北海道は開放感がある。
韓国唯一のドーム球場である高尺スカイドーム(ソウル)や、WBC決勝戦の地となったアメリカ、ローンデポ・パーク(マイアミ)なども同じスタイルである。
日が落ちて外が暗くなると、今度は外野の芝生が鮮やかに浮かび上がってくる。緑の美しさ! 天然芝だというから驚きだ。試合前に係員が外野の芝生の手入れをしていたが、メンテナンスは大変だろうと思う。
大屋根はソフトバンクのPayPayドームと同様、開くことができる。これも一度は見てみたい。
巨大LEDビジョンが球場の左右に設置されている。このスタイルは札幌ドームを踏襲している。両画面共に同じ情報を表示しているが、両画面で異なる情報でもよいのではないかと思う。
2階、3階席へはエスカレーターで上がる。3階席は急こう配で、球場を見下ろす形となる。両チームの応援団席はこのフロアに設けられている。
ファウルよけのネットが、とてもいい感じなワケ
2階席、1階席は見晴らしがよい。札幌ドームに通いなれている人に聞いたが「グラウンドがぐっと近くなった」と言っていた。