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ヌートバーが“水原通訳・栗山監督とZoom面談”で侍になった瞬間…ナゼお母さんは恥ずかしがった? 本人は「考える理由なんてないでしょ」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byAP/AFLO
posted2023/03/15 17:01
ハッスルプレー連発のヌートバー。水原一平通訳とも楽しそう
2018年のMLBドラフト指名ではカージナルスの8巡目、全体では243位という立ち位置だった。それでもわずか4シーズンでマイナーからメジャーの舞台へと駆け上がり、2022年には強豪カージナルスでレギュラーの一角をほぼ掴むところまでのし上がった。言うなれば“叩き上げの主力候補”が、日本でさらにブレークしたという見立てもできる。そういう意味では、WBCを主催するメジャーリーグとしても、日本での新たなファン層獲得という観点で、ヌートバーは絶大な役割を果たしているとも言えるだろう。
もちろん、数字とともに日本の野球ファンを惹きつけるのは、その全力プレーぶり。中国戦と韓国戦で見せた2度のダイビングキャッチ、打った後も一塁ベースまで駆け抜け、ヒットを打った後も相手の送球を見てセカンドへの進塁を果敢に狙う積極的な走塁など、とにかくグラウンドを所狭しと動き回っている。これはカージナルスのチーム文化にもあるようだ。
“ユニフォームを汚せ”というスタイルのチームなので
それを知るのは、オリックスの田口コーチだ。2002年からカージナルスに所属し、自身もワールドチャンピオンの経験を持つ中で、このように語っている。
「プレースタイルにもちゃんと伝統があって、“ユニフォームを汚せ”というスタイルのチームなので。もともとセントルイスの選手たちは“ガスハウス・ギャング”って言われていたんです。試合が終わったあと絶対ユニフォームが真っ黒になっているから」
ユニフォームを真っ黒にしてグラウンドを駆け回る姿。甲子園を全力疾走する高校球児の姿にオーバーラップするファンも多いのではないか。いや、実際に母のクミさんもこんな風に言っているほどなのだ。
WBCは「ラーズにとっての甲子園」なのかも
<証言3>
このWBCはラーズにとっての甲子園なんじゃないかって。
(母・久美子さん/NumberWeb 2023年3月11日配信)https://number.bunshun.jp/articles/-/856760
◇解説◇
高校野球と言えば、春と夏に各都道府県の代表校が甲子園の舞台で生き生きとしたプレーを見せる大舞台だ。今大会のWBCを見ていると、仕事との“二刀流”に励みながら奮闘したチェコ代表を筆頭に、各国における野球のバックボーンを知る貴重な機会となっている。またベネズエラやイタリアなど、ナショナルチームの枠組みで戦う選手たちが喜怒哀楽を露わにするなど、普段のメジャーやNPBのペナントレースとは一味違う空気感を楽しんでいるファンも多いだろう。
その中で特に“高校球児っぽく”なっているのがヌートバーである。