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ヌートバーが“水原通訳・栗山監督とZoom面談”で侍になった瞬間…ナゼお母さんは恥ずかしがった? 本人は「考える理由なんてないでしょ」 

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posted2023/03/15 17:01

ヌートバーが“水原通訳・栗山監督とZoom面談”で侍になった瞬間…ナゼお母さんは恥ずかしがった? 本人は「考える理由なんてないでしょ」<Number Web> photograph by AP/AFLO

ハッスルプレー連発のヌートバー。水原一平通訳とも楽しそう

 冒頭の証言は、クミさんがNumberWebに伝えてくれたメッセージである。「甲子園では全力疾走する選手ばかり、挨拶とか礼儀もちゃんと教育されてる……と。日本の野球番組を見せたこともありましたね」とも話していたが、ヌートバーは満員の東京ドームでプレーできることに幸せを感じているようだ。

「閑古鳥が鳴いてるような球場だと、“やっぱりやる気出ないよな”みたいな感じになっちゃうみたいです。だから(観客が)いっぱいいる方が、やる気がいっぱい出るんだと思うんですね」

 中国戦後の代表取材でクミさんはこう語っていた。スタジアムの雰囲気に乗せられ、そのプレーで観客を盛り上げていく。ヌートバーは生粋のムードメーカーなのだ。

水原通訳のメッセージからフィーバーは始まった

<名言4>
でも、考える理由なんてないでしょう。
(ラーズ・ヌートバー/Number1069号 2023年3月9日発売)

◇解説◇
 水原通訳からのメッセージが、今回のフィーバーの始まりだった。

 “以下にある私の携帯電話番号に、ご都合のいいときに電話いただければありがたいです”

 この働きかけがなければ「1番センター、ヌートバー」の声が東京ドームに響かなかったと思うと……水原通訳のファインプレーも見逃せないが、その水原通訳から声を掛けてもらった瞬間、ヌートバーの心は決まっていたようだ。

「『まだ何も決まってはいないけれど、もし侍ジャパンに選出されたときは興味があるか知りたい』と。“マジか!”と。(中略)その場ですぐに『イエス』『オフコース』と答えたんだ」

 この即決は――今や知っての通り、ヌートバー、侍ジャパンどちらにとっても幸福な結果をもたらした。クミさんは前述の代表取材で「“チームのみんなが英語で喋ってくれる”って。すごく打ち解けてるみたいです」とも話している。確かに映像などを通して見ると、大谷らを筆頭に、水原通訳を介さず直接ヌートバーに話しかけている場面もある。さらに韓国戦のスーパーキャッチ後には、レフトを守る吉田正尚の顔にグラブを近づけた後にグラブタッチするなど、戦友たちとの仲睦まじさを感じさせる。

 かけがえのない日々を過ごしている「たっちゃん」ことヌートバー。迎える準々決勝イタリア戦でもハッスルプレーを見せ、アメリカの地へと“凱旋”できるか。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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