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「鉄道では“絶対に”行けない町」“伝説の横綱”千代の富士が生まれた北海道福島町には何がある?「1000人以上が亡くなる悲劇が町を変えた」
posted2023/02/16 11:02
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph by
Getty Images
福島にやってきた。福島といっても、福島競馬場がある福島でもなければ、関西将棋会館のある大阪の福島でもない。北海道は松前郡福島町。人口4000人に満たない、北国の小さな港町である。
どうしてこんなところにやってきたのかというと、福島町はかの大横綱、千代の富士の生まれ故郷だからだ。編集氏によると、千代の富士がちょっとしたブームのようになっているとか。福島町には千代の富士、そして終戦まもない時期の大横綱のひとり、千代の山のふるさととして、「横綱千代の山・千代の富士記念館」なるものもあるという。
千代の富士がどれだけスゴいお相撲さんだったのか、またどんな歩みを辿ってきたのかなどのエピソードは、その道の専門の方がいろいろ書いているだろうから、筆者はここではあまり触れない。むしろ、千代の富士がどんな町で生まれ育ったのか、とにかく福島町を歩いてみよう、というわけだ。
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さて、まず問題なのは、福島町がどこにあるか、という点だ。地図を見ればわかる通り、北海道の南、渡島半島の南端に福島町は位置している。面している海は津軽海峡。それを挟んだ向こうはもう青森県だ。つまり、福島町は北海道のいちばん端っこ、本州に近い場所にある。
ところが、だからといってアクセスしやすいわけではないのが困りものだ。かつては松前線というローカル線が通っていたが、1988年に廃止されてしまって鉄道はない。最も近い駅は北海道新幹線の木古内駅。そこからバスに乗り換えて約1時間。バスの本数も少ないが、何より木古内駅に停まる新幹線も少ないので、福島町は公共交通機関で向かうには、なかなか途方もない場所なのだ。
“千代の富士の故郷”福島町には何がある?
そんなこんなで延々とバスに揺られてたどり着いた福島町。バスが走ってきた国道228号という大通りが町の真ん中を貫いているので、ひとまずその道を歩いて行くことにしよう。