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大谷翔平の起用法は「クローザーとスターター両方」か? WBC“最大のキーマン”が握る「米国には最悪、ファンにとっては最高」のシナリオ
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byNanae Suzuki
posted2023/01/16 17:30
栗山監督とともに会見に臨んだ大谷翔平
大谷翔平「調整は例年通り。本当に体調がいい」
ご存じの通り、WBCは公式戦を前にして行われる。そのため、選手のコンディションを守るため投手には多くの大会規定が存在する。
*1次ラウンド 65球
*準々決勝 80球
*準決勝以降 95球
*3連投以上禁止
*50球以上投げた場合は中4日の休養
*30球以上は中1日を空ける
(※敬遠の球数は含まれない)
はたして大谷は、二刀流として出場するのか。投手は先発なのか、抑えなのか。侍ジャパンと戦ううえで対戦国の戦略が大きく違ってくる、大きなポイントだ。
先の先行メンバー発表の際、現在の調整具合を聞かれた大谷は答えた。
「調整は例年通り。本当に体調がいい。このままの流れでいけば、いい状態で臨めると思っている」
“クローザー”出場はファンには最高、対戦国には最悪
打者として「DH」での全試合出場は疑いようが無いだろう。ポイントは投手として「スターター」なのか「クローザー」なのか。大会日程を考えれば「クローザー」起用が最も効率が良いように映るが、決勝戦後、わずか9日で開幕する公式戦を考えれば、結論は簡単には下せない。
大谷がクローザーを務めれば、ほとんどの試合で二刀流として貢献できる。ファンにとっては最もエキサイティングな起用法となる。「DH」を解除し、9回のマウンドに大谷が登るのはファンにとって最高の展開。想像しただけで心が躍る。
そして、相手チームにとっても最も嫌らしい起用法となる。米国やドミニカ共和国のオールスター軍団であっても、1イニング限定で出力をあげて投げてくる大谷から得点を挙げることは不可能に近い。3連投以上禁止のルールがあっても、対象となるのは4連戦がある1次ラウンドだけだ。中国、韓国、チェコ共和国、オーストラリア相手に大谷が3連投を強いられる必要もないだろう。