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[辿り着いた場所で]権田修一「和製GKが見た世界の背中」

posted2022/12/18 07:01

 
[辿り着いた場所で]権田修一「和製GKが見た世界の背中」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Kiichi Matsumoto/JMPA

ドイツ戦での4連続セーブをはじめ、W杯の舞台で“守護神”と呼ぶにふさわしい躍動を見せた。だが、世界との差も痛感した。「この状況じゃダメだ」。2026年への準備は、もう始まっている。

 ピッチの上で、権田修一の靴ひもは絶対にほどけない。試合直前、丁寧に丁寧に、きつく結ぶからだ。ホペイロ(用具係)が万全に整えた取替式スパイクのスタッドも、自らの手で必ずしっかり締め直す。

 試合会場の天気予報を事前にチェックするのも、日課である。もしも降水確率が高ければ、整髪料はつけない。

「“靴ひもがほどけそう”とか“ちゃんとスタッド締めたっけ?”とか、試合中に一瞬でも考えることが嫌なんです。もしも雨が降ってきたら、流れ落ちた整髪料が目に入って痛い。それを気にして集中力を欠くくらいなら、見た目はどうでもいいんです。既婚者ですからね(笑)。失点の確率をほんの少しでも下げるために、僕は小さなリスクでも排除したい」

“準備と予測”の守護神、である。

「僕はベルギーのクルトワみたいに、身長が2mあるわけじゃない。ドイツのノイアーみたいな身体能力があるわけでもない。それでも彼らと勝負するために、まずミスをなくす。そしてクルトワやノイアーより10cm届かない分を、予測やDFとの連係で守る。それが強みだと思っています」

 今年6月、ブラジルとの親善試合で国立競技場のゴールマウスに立ったことで、さらに意識を研ぎ澄ませた。

「ブラジルは、とにかく“速かった”。それは単に足が速いとかではなく、パススピードも、判断のスピードも、サッカーが絶対的に速い。Jリーグの試合ならば、GKとして2つ選択肢を考えられるはずの時間で、ブラジル戦では1個しか考えられないような感覚でした。あれ以来、自分の情報処理速度を上げることを訓練してきました。エスパルスでの試合や練習でも、今までプレーのプランBまでしか考えていなかった状況で、プランCまで準備する。結局、それが余裕につながるので」

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