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[守護神の証明]権田修一「3人で作った“18秒”」
posted2022/12/07 08:02
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Getty Images
グループステージ初戦、マン・オブ・ザ・マッチに輝いたのはこの男だった。ドイツのシュートを4連続で止め、日本を窮地から救った“神セーブ”。それは、仲間でありライバルでもあるGKチーム全員で辿り着いたプレーだった。
8年前、権田修一は水を運んでいた。ブラジルW杯メンバーに選ばれたものの、出場はなし。試合中にプレーが途切れれば、ベンチを飛び出してピッチ上の選手たちにドリンクを渡し、練習の前後には率先して用具の準備と後片付けを手伝った。
チームはグループステージで敗退したものの、スタッフの誰もが献身性を褒めてくれた。でも、本人は後悔していた。
“8年後の権田”は、こう語る。
「当時の僕はフォア・ザ・チームの姿勢を示すことが自分の役割だと思っていたし、それが素晴らしいとも言ってもらえました。でも、あれじゃあ本当にチームの力にはなっていなかったと思います。あの姿勢で臨んじゃいけなかった。正GKだった(川島)永嗣さんを支える、ではなくて、刺激を与える存在にならなきゃいけなかった。“永嗣さん、しっかりやらないと、俺がポジションを奪っちゃうよ”っていう意識でいないといけなかった。
実際、永嗣さんは控えの立場になった後も、チャンスが来たときのために全力で、100%の準備をしている。そしてスタメンが確定した段階で切り替えて、チームのために尽力する。これって当たり前のようで、すごく難しいことなんです。どれだけ若いGKが出てきても、監督が永嗣さんをメンバーに入れるのは、それだけの価値を示しているから。本当にすごい人です」