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「生まれ変わったら原監督と大八木監督のどちらのもとで主務やりたい?」 青山学院大学と駒澤大学の主務を経験したOBが今だから話せる本音対談
posted2022/11/25 15:00
text by
佐藤俊Shun Sato
――ともに愛知県出身で昔からよく知っていたそうですね。
野川 青山さんには、中2の時からお世話になっていました(笑)。
青山 でも、大学では、大会の時に話をするぐらいだよね。
野川 そうですね。大会や記録会で会う感じだったので、「お久しぶりです」みたいな。でも、会っても挨拶くらいで特に話をしていないですよね。
青山 ライバルだからね、うちらは。
野川 (笑)。僕が3年の時、青山さんが主務だったんですけど、その時は話をしても何もいわれなかったんです。でも、僕が4年生となり主務になった時、駒大の主務が同郷の伊藤(聡汰)君だったので、彼とよく話をしていたらあとで大八木監督から「あいつは敵だぞ」と言われたって言ってて(苦笑)。記録会とかで近くに大八木監督がいる時は、伊藤君とは携帯で話をしていました(笑)。
青山 大八木監督は、怖いイメージがあるよね。私もマネージャーになり立ての頃は、かなり怒られた。でも、今はだいぶ変わったみたいで、学生に合わせて練習とかもやっているみたい。
――主務は、選手と監督の間に立ち、チームの運営のかじ取りを任される大事な立場ですが、どういうことを意識していましたか。
青山 私は、「選手ファースト」をいつも心がけてやっていました。1年生の時から田澤(廉・現4年)はこういう練習がやりたいというイメージを持っていたんです。それで監督に「田澤がこういう練習をやりたいそうです」って言いに行くと『おまえに何が分かるんだ』って怒られました。でも、私の中で田澤がその練習をしたら絶対に結果を出してくれると思っていたので、怒られても何回も言いに行っていました。
野川 私も選手の声はできるだけ聞いて監督に届けたいと思ったんですけど、私たちの代の4年生は個性が強くて、ちょっとワガママだったんです(苦笑)。ポイント練習のスタート時間について、4年生は『30分早い』『もうちょい遅くして』とか、細かい要求を出してくるんです。ただ、監督は“全員で時間通り”が基本なので、その調整が意外と大変でした。
青山 原監督は、表ではテレビに出て、エンターテインメントをやっている感じだけど、寮生活や練習は大変厳しいよね。じゃないとみんな、あんなに走れないと思う。
野川 原監督は、監督になる前にビジネスマンをしていたので、そこは他の大学の監督と違うところかなと思います。テレビに出ているせいか今、世の中で起こっていることについての情報収集がすごくて、そこで得たニュースや話を朝練習の時とかに僕にしてくれるんです。あと、試合に向けて、この選手の状態はこうだからこの練習をしなさいとか、すごく選手を観察しているし、ゴールに向かう過程を大事にしているんです。そこは僕自身、すごく勉強になりましたね。大八木監督は、経験がすごいので学ぶことも多いですよね。
青山 監督の座右の銘が「我逢人」といって、人と会うことで全てが始まるっていう仏教の言葉があるんですよ。監督は人とのコミュニケーションや出会いを大事にするし、選手のためにすごくいろんなことをやってくれるので、監督のためにという思いで主務をやれたのは、すごくいい経験でした。