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「15校中8校でチアリーダーが盗撮されている」出場校アンケートで判明した甲子園の”性的画像”被害「パーカーとスキニーパンツに変えた高校も」
text by
品川絵里(共同通信)Eri Shinagawa
photograph byGetty Images
posted2022/09/19 17:01
高校野球では風物詩となっている女性チアの応援。盗撮などの被害の有無を2021年のセンバツ出場校に聞くと…
教職員による巡回など何らかの対策を既に実施している学校が10校あり、今後「必要だと考える」とした学校も8校に上った。被害防止に取り組む上での障壁を聞いたところ、「撮影目的の見極めが困難」が最多の19校で、「規制の法的根拠が希薄」が14校、「注意した際にトラブルになる懸念」が13校と続いた。
主催者に対策を期待する声も多く、18校が「警備員による巡回」、14校が「警察や行政機関との連携」、13校が「撮影の規制」を求めた。
日本高野連は警備員の巡回や警察への相談などを行ってきたが、小倉好正事務局長は「アンケート結果を深刻に受け止めなければならない。都道府県連盟とも情報共有し、盗撮がなくなるような啓発活動などを検討したい」と対策の強化が必要との認識を示した。今大会は新型コロナウイルス感染防止のため応援の態勢を検討中で、チアリーダーの活動を許可するかどうかはまだ決まっていない。(共同通信21年3月6日配信)
「チアリーダーへの侮辱」憤る学校関係者
学校レベルでの対策限界/高野連の警戒強化に期待
選手だけでなく、高校野球のチアリーダーも悪質な撮影に悩まされている実情が明らかになった。ある学校関係者は「ひたむきに応援するチアリーダーへの侮辱」と憤る。学校レベルでの対策には限界があり、日本高野連の積極的な対応を求める回答が目立った。
職員による警戒を強める学校は多いが「負担が大きい」との意見も出ており、不審な撮影者への注意がトラブルを招く懸念も抱える。自助努力だけでは実効的な対策は難しく「大会関係者の見回りの方が抑止力になる」と主催者に期待する声が上がった。
高野連に対しては巡回の強化に加え、撮影の規制や警察など行政機関との連携を求める学校が多く「罰則付きの取り締まりを」という指摘もあった。甲子園大会では内野席と外野席の間の「アルプス席」が学校関係者のエリアとなるが、例年は一般の観客も立ち入ることができるため、厳密な通行禁止を求める見解も出ている。