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《絶滅危惧種》「ピッチャー大きく振りかぶって」は死語になる? 松坂大輔の代名詞・ワインドアップの未来 今夏の甲子園では…
posted2022/09/07 11:00
![《絶滅危惧種》「ピッチャー大きく振りかぶって」は死語になる? 松坂大輔の代名詞・ワインドアップの未来 今夏の甲子園では…<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/3/1500wm/img_f350672671be97698bbfe833326e1f44742061.jpg)
甲子園を席巻した平成の怪物・松坂大輔の豪快なワインドアップ投法。“絶滅危機”の投法が甲子園で見られなくなる日は近い?
text by
![小西斗真](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Hideki Sugiyama
野球伝来150年、いわゆる「甲子園」がスタートして107年。ついに深紅の大優勝旗が白河の関を越えた。白河の関を越えるとは、東北地方に入ることを意味する。勝ったのは仙台育英(宮城)。これまで東北勢がはね返され続けた決勝の壁を突き破ったというだけでなく、新時代到来を実感させる勝ち方だった。
決勝戦で先発した斎藤蓉投手は、宮城大会では1球も投げていなかった。優勝を決定づける満塁本塁打を放った岩崎生弥内野手は、2年生の時に病気を患っていたこともあるが、ベンチにすら入っていなかった。優勝旗を受け取った主将の佐藤悠斗外野手も背番号は13だった。
5人の投手を起用したのは仙台育英以外にも5校あった。補欠の犠牲の上にレギュラーが君臨するのではない。全員で上達し、全員で戦う。コロナ禍が収束したとしても、真夏に過酷なトーナメントを戦うことに変わりはない。戦いが進めば進むほど、こうした「全員型」のチームが、より優位に立つのは間違いない。
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地方大会を振り返ると、49代表のうち投手1人で勝ち上がったのは鳴門(徳島)のみ。ただし、4試合のうち5回コールドが2試合あり、冨田遼弥投手が投げたのは28イニングにとどまった。投球イニングで最多は樹徳(群馬)の亀井颯玖投手の50イニング(6試合)。7月11日の1回戦から27日の決勝戦というスケジュールだったが、準々決勝(22日)、準決勝(25日)、決勝はオール完投。甲子園では1回戦(8月6日)で明豊(大分)に敗れたが、勝敗は別として十分にリカバリーするには期間が短すぎたのかもしれない。