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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
“32歳で初代表”水沼宏太らにとって「千載一遇のチャンス」中村憲剛が語るE-1メンバーへの期待「逆転でW杯に行ってやる、という情熱を」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2022/07/17 17:03
32歳で初めて代表入りを果たした水沼宏太や、約10年ぶりの代表復帰となった宮市亮にとって、E-1選手権は「千載一遇のチャンス」だと中村憲剛氏は語る
攻撃陣は「千載一遇のチャンス」を活かせるか
前線では水沼宏太、武藤嘉紀、宮市亮らが選ばれました。
水沼は32歳での初代表です。ベテランの年齢に差しかかりましたが、クロスやフィニッシュで貢献するだけではなく、チームのためにハードワークができ、声もかけることができるパーソナリティを持った選手がようやくつかんだチャンスだと思います。
武藤と宮市は海外から国内に戻ってきて、Jリーグでプレーをしてきました。戸惑うところはあったと思いますが、徐々にコンディションが上がってきて、チームの勝利に貢献できるようになってきたところで呼ばれました。彼らにとっては千載一遇のチャンスです。
しかし、16日のJ1リーグでケガをした武藤は、参加を辞退することになってしまいました。悔しさが募っているでしょうが、早期回復に努めてほしいです。
彼らを含めた攻撃陣に求められるのは、分かりやすいでしょう。ズバリ、ゴールやアシストという結果です。これまで招集されてきた選手とは違う武器を示し、その武器でチームを勝たせられるかどうかが問われます。
「時間がない」はエクスキューズにならない
繰り返しになりますが、E-1選手権に招集された選手たちは、ぶっつけ本番で大会に突入していきます。そこで求められるのは、個人の「自己解決能力」と「チームを勝たせることのできる武器」だと思います。
メンバーは寄せ集めで、戦術練習をほとんどできないまま試合がやってくる。「準備の時間が短い」、「この選手とはコンビを組んだことがない」、「クラブとシステムが違う」など、うまくいかなかった際の言い訳はすでに用意されている状態です。
けれど、時間がないのはW杯最終予選も同じでした。選手全員が集合した2日後に、絶対に負けられない試合を迎えていたわけです。もちろん、継続的に招集されているメンバーなので連携は構築されているとはいえ、「準備期間がない」なかで戦い続けてW杯出場を決めました。
そう考えると、今回のチームにも同じことが求められると思います。「時間がない」で終わらせるのではなく、この短期間でチームの勝利のために初顔合わせの選手ともコミュニケーションをたくさん取り、相互理解を深めていくようなパーソナリティを見せられる選手が、結果的にチームの力になり、生き残っていく可能性が出てくる。こういった短期間での戦いは、ピッチの内外で問題を解決する能力を発揮することが必要なのです。