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「日本代表の弱点はFWと…」「ハンジは長所と短所を徹底的に分析する」前ドイツ代表監督レーブが忖度なしでW杯展望〈単独インタビュー〉
posted2022/07/19 11:00
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph by
JMPA
ドイツ代表の現在地を語るうえで、ヨアヒム・レーブほどふさわしい人物はいないだろう。
レーブは2006年から15年間に渡ってドイツ代表を率い、2014年W杯で頂点に立った。その優勝メンバーのノイアーやミュラーは、現在も代表で活躍している。
また、現ドイツ代表監督のハンジ・フリックは、レーブのもとで2006年から2014年W杯までコーチを務めた元同僚だ。スタッフにも選手にも、レーブのDNAが受け継がれている。
攻撃サッカーを愛するW杯優勝監督に、2022年W杯、ドイツ代表、そして日本代表について話を聞いた(翻訳:木崎伸也)。
従来と異なるからこそ番狂わせの可能性が
――ドイツ代表から離れて約1年が経ちました。今、どんな日々を過ごしているのでしょうか。
「ベルリンとフライブルクに家があって、そこを行き来しながら暮らしている。
ドイツ代表監督時代と同じようにジョギング、ジム、水泳などで体を動かし、いろいろなスポーツを日々楽しんでいる。スケジュールが合うときに、フライブルク、シュツットガルト、ベルリンのスタジアムに足を運んで、ブンデスリーガの試合を観ているよ」
――今回のW杯は北半球の冬に開催されます。どんな影響があると思いますか?
「すべての参加者にとって、初めての体験だ。従来とは異なり、ヨーロッパのシーズン中にW杯が開催されるため、W杯直前に10日間ほどの準備期間しか取れない。また、グループステージではすべての国が中3日で試合を行う過密日程だ。これらの要因が、思わぬ番狂わせを引き起こすのではないだろうか。何かが起こる予感があり、ワクワクしているよ」
――あなたはドイツ代表を率いて2014年W杯で優勝しました。W杯優勝で最も大事なことは?
「積み重ねだ。私たちは2010年W杯で3位、EURO2012でベスト4になり、悔しい思いをしながら着実にタイトルに近づいていた。そういう経験を通してチームが成熟し、ブラジルの地では絶対に勝つんだという意志が極限に達していた。勝利への意欲が、他のチームとの決定的な違いだったと私は思う。単純に、次は私たちの番だったんだよ」
監督の采配で“犯しやすいミス”とは?
――多くの国がW杯で犯しやすいミスはなんですか?