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根尾昂18歳が言い聞かせていた“ある言葉”と夜中に掛けた一本の電話「もちろん結果は欲しい。でも、段階があると思うので…」
posted2022/07/10 17:02

1年目の3月、インタビューに応じた根尾
text by

鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph by
Kiichi Matsumoto
6月21日、野手から投手に登録が変更となった中日の根尾昂。高校時代は投手として活躍し、プロ入り時にはショート専念を宣言した”ゴールデンルーキー”が1年目に語っていたこととは?
入団間もない根尾にインタビューしたSports Graphic Number975号(2019年3月28日発売)根尾昂『上がり眉に込められた明るい未来』を特別に無料公開します(肩書などはすべて当時)。全2回の1回目 後編は#2へ
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名古屋駅を降りると、ナナちゃんがユニホーム姿で待っていた。しかも、背中に7番をつけている。一瞬、ギョッとした。
ナナちゃんとは駅の百貨店前に立つ、身長6.1m、体重600kgの巨大な女の子……、いやマネキン人形である。地元で最も有名な待ち合わせスポットであり、股下をくぐったカップルは結ばれるとか。
とにかく、彼女が身につける衣装は、その時々の名古屋の街を象徴するといわれている。そのナナちゃんがドラゴンズブルーを身にまとうのは、リーグ連覇を果たした2011年以来のことだという。
「今、自分はこの段階にいるんだ」
3月15日、ウエスタン・リーグ開幕。
ナゴヤ球場に着くと見慣れない柵とロープに沿ってディズニーランドのような行列ができていた。さしずめ「60分待ち」だ。
球場の受付では係員が朝から電話対応に追われている。
『ええ、はい……、ですから、今日出るかどうか、そういうことはこちらではわかりかねまして。ええ、新聞等で報道されている限りのことしか……』
猫も杓子もナナちゃんも、根尾、根尾、根尾である。一体どうしたというのか。