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那須川天心23歳、武尊戦後の独白「ボクシング? まだちょっと余韻に」「やりたいこと…サバゲーかな(笑)」酷評されたメイウェザー戦も糧に

posted2022/06/23 17:03

 
那須川天心23歳、武尊戦後の独白「ボクシング? まだちょっと余韻に」「やりたいこと…サバゲーかな(笑)」酷評されたメイウェザー戦も糧に<Number Web> photograph by THE MATCH 2022/Susumu Nagao

6月20日、『THE MATCH 2022』の一夜明け会見に出席した那須川天心。その表情は晴れやかだった

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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THE MATCH 2022/Susumu Nagao

6月19日、東京ドームで行われた『THE MATCH 2022』でK-1王者の武尊に勝利し、那須川天心は公式戦47連勝という記録を残してキックボクサーとしてのキャリアを終えた。ボクシングへの転向を表明している23歳は、宿命のライバルとの戦いを終えて何を思うのか。一夜明け会見後に、NumberWebの独占インタビューに応じた。(全2回の2回目/前編へ)

 那須川天心の8年に及ぶ格闘家としてのキャリアは、キックボクシングという競技そのもののステータスに大きな変化をもたらした。それはRIZINにおけるキックの扱いを見ても明らかだ。率直に言って、かつてRIZINでのキックはMMA(総合格闘技)の“刺身のツマ”のような扱いだったが、那須川の登場によってメインカードに格上げされた。那須川も「キックの地位は上がったと思う」と深く頷く。

「でも、やりすぎてしまった感もあるんですよね」

 どういうことだろうか?

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「なんだろう……。僕はずっと同じことをするタイプではないんです。だから周り(の価値観)が追いついてこない。なにか新しいことをやるときには、いつもドギマギした感じがありました」

「あのときはMMAに出るしかなかった」

 武尊戦の翌日、那須川の独白を聞いて、筆者は世界で初めての総合格闘技であるシューティング(現・修斗)を創設した初代タイガーマスクこと佐山聡の存在を思い出した。

 佐山が打撃も組みも寝技もできる格闘技の構想を語り始めたとき、世間は冷笑した。

「プロレスとどう違うの?」

 結局、佐山の発想が世の中に理解されるまで10年近くの歳月を要した。それと同じようなことだろうか。実際、RIZINに登場するようになった那須川は変化球を投げ続けた。2016年12月29日のRIZINデビュー戦はキックではなく、MMAだった。

 もちろん那須川にとっても、MMAは初体験。新たな挑戦が発表されると、世間の反応は冷ややかだった。

「そこまでしてRIZINに出たいのか」

 大晦日のRIZINはファイターにとってのNHK紅白歌合戦のようなもので、出場すればそれだけで箔がつく。地上波で自分の試合が放送されたら知名度はさらに高まるので、当時の那須川の行動を売名行為に近いと見なす者もいた。

 那須川は「いまでこそキックボクサーがMMAをやることは当たり前になったけど、僕が挑戦したときなんてかなり否定されていた」と振り返る。

「でも、キックボクシングの外に出るという意味では、あのときはMMAに出るしかなかった」

【次ページ】 メイウェザー戦は「ナンセンス」と酷評されたが…

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