- #1
- #2
競馬PRESSBACK NUMBER
シャフリヤールへの出資を即決! 山本昌が語るクラブ馬主の醍醐味と“走る馬の見抜き方”「血統や馬体も見ますが、特に重視しているのは…」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byGetty Images/Naoya Sanuki
posted2022/06/18 11:03
山本昌さんが出資したシャフリヤールは国内外でGIを制し、募集価格の1億2000万円(一口300万円/全40口)をはるかに上回る賞金を稼いでいる
「皐月賞はただただ嬉しかったです。期待はありましたが、直線で抜け出してきたときはビックリしましたよ(笑)。大阪杯のときは仕事中だったのでリアルタイムで見ることはできなかったんですが、やけにたくさんLINEが届いていたので『なんだろう? ひょっとしたら……』と。そのままLINEを読まずにレース映像を見ました。感激でしたね。ずっと好走はしていましたが、2年近く勝てていなかったので……」
特に重視しているポイントは「後肢の動き」
現役時代から競馬ゲーム『ダービースタリオン』の熱心なプレーヤーだった山本さんだが、引退する2年前までは馬券を購入したことはなかったという。ではどういったきっかけで、クラブ馬主の世界に足を踏み入れたのだろうか。
「たまたま競馬をはじめたころに知り合った方がクラブ関係の仕事をしていて、サンデーレーシングさんのことを教えてもらったんですね。オルフェーヴルやブエナビスタ、ローズキングダムでおなじみの勝負服ですから、やっぱりワクワクしましたよ」
毎年多くの素質馬がラインナップされるサンデーレーシングのリストの中から、山本さんは満口になっていなかった2頭に出資。「どちらも通算1勝」だったそうだが、たちまちクラブ馬主の面白さにのめり込んでいく。
「競馬場で“自分の馬”が走るというのが単純にすごいし、嬉しい。馬主さんや関係者の方の『なによりもまずは無事に回ってきてほしい』という言葉の意味が本当によくわかります。レースはもちろん、クラブから上がってくるレポートを読むのも楽しい。未勝利馬でもオープン馬でも同じように愛着がわきますし、出資する金額の大小の問題でもないんです。これは他のクラブ馬主の方々にも共感してもらえる部分だと思います」
その後、初めて本格的に映像をチェックして選んだという2013年生まれのリライアブルエース(頼りになるエースの意。山本さんの提案した馬名が採用された)が21戦5勝と活躍。そのころから「動き」を重視する出資スタイルが確立され、アルアインやシャフリヤールにもつながっていく。
「もちろん血統や馬体の形も見ますが、特に重視しているのは後肢の動き。ずっと見ていると、『この子は瞬発力があるな』とか『少しゆるいかな』というのがわかってくるんです。動きがよければ大外れすることは少ないですし、募集金額が安い馬でも走ることが多い。これからクラブ馬主をやろうという方には、血統やカタログの写真だけでなく、動画でじっくりと吟味して選ぶことをおすすめします。僕もDVDに穴が開くほど見ていますから(笑)」