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シャフリヤールへの出資を即決! 山本昌が語るクラブ馬主の醍醐味と“走る馬の見抜き方”「血統や馬体も見ますが、特に重視しているのは…」

posted2022/06/18 11:03

 
シャフリヤールへの出資を即決! 山本昌が語るクラブ馬主の醍醐味と“走る馬の見抜き方”「血統や馬体も見ますが、特に重視しているのは…」<Number Web> photograph by Getty Images/Naoya Sanuki

山本昌さんが出資したシャフリヤールは国内外でGIを制し、募集価格の1億2000万円(一口300万円/全40口)をはるかに上回る賞金を稼いでいる

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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Getty Images/Naoya Sanuki

1着賞金348万米ドルのGIドバイシーマクラシックを制し、6月15日には英GIプリンスオブウェールズSに挑んだ2021年のダービー馬・シャフリヤール。同馬に出資した野球解説者の山本昌(山本昌広)さんは、多くの募集馬の中からいかにして“宝石”を見つけ出したのか。クラブ馬主(一口馬主)になったきっかけや、「走る馬の見抜き方=相馬眼」について話を聞いた。(#2「あるクラブ馬主のリアルな収支」も読む)

シャフリヤールを見出した殿堂入り投手の相馬眼

「以前にも話したことがありますが、シャフリヤールはアルアインの全弟だから出資したわけではないんです。実際、サラブレッドとしてのタイプは全然違いますからね。ただ、最初に動画を見た瞬間から『これは素晴らしい馬だ』と。それくらい図抜けた動きをしていました」

 プロ野球選手として通算219勝をあげ、2022年1月に野球殿堂入り(プレーヤー表彰)を果たした元中日の山本昌さんは、自身がクラブ馬主として出資したダービー馬・シャフリヤールの第一印象をそう語った。

「まあ僕もスポーツをやっていたのでね(笑)。クラブ馬主をはじめてから多くの募集馬を見てきましたし、運動神経の良し悪しというのは、人間と同じように映像を見ればなんとなくわかる部分もある。仕事柄、新幹線での移動時間が長いので、そういったタイミングでクラブから送られてくる映像をポータブルDVDプレーヤーで全頭チェックして、カタログに印を入れていくんです」

 山本さんはシャフリヤールの全兄アルアインにも出資していた。当時はクラブ会員になって数年が経ち、馬の見方や選び方がわかってきた時期だったという。

「アルアインを初めて動画で見たときのことはよく覚えています。生まれは5月1日で少し遅く、1歳のころはまだ380kgくらいで小さかった。ただ大きく成長する余地を残していましたし、『5月生まれでこの動きならすごくいいな』と思いました」

 その見立て通り、ディープインパクト産駒としては珍しい500kgを超える雄大な馬格に成長したアルアインは、2017年の皐月賞を制覇。その後も大舞台で堅実に走り続け、2019年の大阪杯でふたつ目のGIタイトルを手にした。

【次ページ】 特に重視しているポイントは「後肢の動き」

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