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「シュート59本で27点」ベンゼマ、神セーブのクルトワは当然選出も… 「メッシ的な絶滅危惧種トップ下」って誰?〈識者が選ぶリーガベスト11〉 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byMutsu Kawamori

posted2022/06/02 17:01

「シュート59本で27点」ベンゼマ、神セーブのクルトワは当然選出も… 「メッシ的な絶滅危惧種トップ下」って誰?〈識者が選ぶリーガベスト11〉<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

リーガ、CLを制したレアル・マドリー。ベストイレブンでも彼らを中心に選んだ

 年々、戦力的に弱体化しているバレンシアの支柱として、今季はラ・リーガで1桁順位に、コパデルレイでは準優勝に導いた。主にボランチでプレーしながら、ラ・リーガで残した11ゴール5アシストは驚異的な数字だ。昨年にスペイン代表デビューも果たした25歳は、今夏のビッグクラブ移籍が噂されている。

 左サイドバックはベティスのアレックス・モレノ、ラージョ・バジェカーノのフラン・ガルシア、セルタのハビ・ガランらも良かったが、苦しむバルサを支え続けた33歳アルバの奮闘を讃えたい。シーズン通してコンディションを維持できたわけではないものの、ラ・リーガでの10アシストはさすがだ。23節アトレティコ戦、35節ベティス戦で決めた左足ボレーでのゴラッソは強烈なインパクトを残しただけでなく、チームの2位浮上に決定的な役割を果たした。

DF、GKでもやはりマドリー勢が圧倒的だった

 センターバックはバルサのアラウホ、アトレティコのサビッチらも素晴らしかったが、シーズン通しての安定感と存在感の大きさからレアル・マドリーのミリタオ、セビージャのジエゴ・カルロスを選んだ。前者はセルヒオ・ラモスとバランの退団を感じさせぬ活躍でレアル・マドリーの独走優勝に貢献。後者はクンデと共にラ・リーガ最少失点に抑えたセビージャの堅守を支え続けた。

 右サイドバックはビジャレアルから唯一の選出となるフアン・フォイト。今季はCBでプレーする機会がほとんどなく、右サイドバックのファーストチョイスに定着。とりわけCLではマンチェスター・ユナイテッド、ユベントス、バイエルン、そしてリバプールといったトップクラブのアタッカー相手に堂々と渡り合い、4強入りの立役者の1人となった。

 GKはシーズンを通して驚異的な好セーブを繰り返したクルトワ。リーグ2位の120セーブを記録し、カディスの劇的残留に貢献したレデスマも捨てがたかったが、クルトワの突出した個の能力とパフォーマンスが上回った印象だ。

 ラ・リーガの最少失点GKを讃えるトロフェオ・サモラこそセビージャのボノに譲ったものの、総セーブ数93はバルサのテア・シュテーゲン(76)、ボノ(76)、アトレティコのオブラク(66)ら上位チームのGKを大きく上回る。

 何より自身2度目のCL決勝にて、後世に語り継がれる圧巻のパフォーマンスでプレーヤーオブザマッチに輝いた。他のレアル・マドリー勢と同様、文句なしの選出と言えるだろう。

<#1につづく>

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クリロナとメッシ後の主役は「34歳の万能ストライカー」ベンゼマのバロンドール獲得を信じて疑わないワケ〈識者が選ぶリーガベスト11〉

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