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スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
「シュート59本で27点」ベンゼマ、神セーブのクルトワは当然選出も… 「メッシ的な絶滅危惧種トップ下」って誰?〈識者が選ぶリーガベスト11〉
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byMutsu Kawamori
posted2022/06/02 17:01
リーガ、CLを制したレアル・マドリー。ベストイレブンでも彼らを中心に選んだ
3人目のFWはセルタのイアゴ・アスパスだ。34歳で迎えた今季は大きな怪我もなく、シーズン通して活躍。得点ランキング2位の18ゴールを挙げてトロフェオ・サッラ(スペイン人得点王)に輝いた。2016-17から18-19シーズンには3季連続でサッラを獲得しており、これでビジャに並ぶ最多4度目の受賞となる。
過去数シーズンは3トップの中央もしくは右FWを務めることが多かったが、2トップの一角として自由に動くことが許された今季は万能型ストライカーである彼の持ち味が存分に発揮された。0-3から3-3に追いついた第13節バルサ戦での2ゴールなど、強豪相手に発揮する勝負強さも健在。来季も好調を維持できれば、35歳でのワールドカップ出場も不可能ではないはずだ。
絶滅危惧種のトップ下で輝いた選手は……
メディアプンタではベティスのフェキルが際立った輝きを放った。吸い付くような左足のボールタッチと、屈強なDFたちを弾き飛ばす強靭なフィジカル。柔と剛の才能を高次元で組み合わせたプレーは、全盛期のメッシとまではいかないまでも、晩年のメッシに近いレベルにある。
絶滅危惧種と呼ばれて久しいトップ下のポジションに君臨し、ベティスの攻撃の中心として17年ぶりのコパデルレイ制覇、ラ・リーガ5位といった成功の立役者となった。堂々のベストイレブン選出である。
各クラブに素晴らしい人材が揃うボランチ/インテリオールについては、モドリッチの活躍が突出していた。衰え知らずの36歳は今季もシーズンを通してフル稼働。一時はポジションを脅かされたバルベルデらの台頭を忘れさせる活躍でレアル・マドリーの中盤に君臨し続けた。
無尽蔵のスタミナ、食いつかせて剥がすドリブルのキレ、スルーパスやクロスのアイデアと精度は年齢と共に増している印象すら感じさせる。何よりいかなる状況下でも精神的な弱みや消耗を感じさせないメンタルの強さは、今季のレアル・マドリーの勝負強さを象徴する存在だった。
バルサで飛躍したペドリ、メガクラブ移籍の噂があるのは誰?
もう一人のMFには好調時のバルサで中心的役割を果たしたペドリ、CLで躍進したビジャレアルのパレホとキャプエ、アトレティコのコケ、ベティスのギド・ロドリゲス、セビージャのジョルダン、レアル・ソシエダのミケル・メリノ、オサスナのモンカヨラなど多数の候補が浮かぶ中、バレンシアのカルロス・ソレールを選んだ。