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2010年に8000億円台だった売上が過去最高の「2兆3926億円」に激増… 現役記者が解説するボートレース人気“3つの要因” 

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山内翔太

山内翔太Shota Yamauchi

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posted2022/05/29 11:02

2010年に8000億円台だった売上が過去最高の「2兆3926億円」に激増… 現役記者が解説するボートレース人気“3つの要因”<Number Web> photograph by KYODO

女性初のSG制覇を達成した遠藤エミに続き、平高奈菜(写真)もSGオールスターの優勝戦に進出。女性レーサーたちがボートレースの人気を牽引している

総売上の約8割を占めるネット投票の普及

 2つ目の要因として考えられるのは、「テレボート」(ネット投票)の普及です。使ったことがある人ならわかると思いますが、UIがとても優れていて操作は非常に簡単。スマートフォンでもPCでも、ネット環境さえあれば「ちょっとやりたいな」と思った瞬間に舟券が買えてしまう。もちろんレースの映像もすべて無料で見ることができる。当たり前といえば当たり前かもしれませんが、これも間違いなく大きな要因のひとつでしょう。

 また中央競馬が基本的に土日だけなのに対して、ボートレースはほぼ毎日、朝から晩までやっている。「いつでも、どこでも買える」という手軽さによって、パチンコ・パチスロのユーザーや、デジタルネイティブの若年層を取り込めたことが売上増に貢献していると考えられます。

 ファンにしてみれば、365日朝から晩までチャンスが転がっている状態です。テレボートを開いたら、だいたい常に複数場でレースが行われていますからね。これも関係者の工夫の成果だと思いますが、昔はまったく人気がなかったボートレース場が、ナイターを始めてトップクラスの売上を記録するようになっています。今後、より深い時間帯に行われるミッドナイトボートレースが本格化していけば、売上はさらに上がっていくと思います。

 ちなみに2021年度の電話(ネット)投票売上は、総売上の約77%にあたる1兆8414億1242万3700円。この数字を見ると、コロナ禍による巣ごもり需要も、ボートレースにとっては追い風になった部分もあるかもしれません。

 加えて競馬の場合は10頭立て以上のレースも多いですが、ボートレースは常に6艇の勝負なのでビギナーにも当てやすい。最近では、多くのタレントやYouTuberがボートレースを動画の題材にしていることもあって、非常に間口が広くなったなと感じます。数年前まで公営競技といえば競馬の一強で、「ボートレースってなに?」くらいの存在感でしたが、今は「ボートレースも面白そうだな」「あの人もやっているし、ちょっと買ってみるか」という輪が連鎖的に広がっているのでしょう。

【次ページ】 女性レーサーをはじめ、人気選手がより身近な存在に

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