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2010年に8000億円台だった売上が過去最高の「2兆3926億円」に激増… 現役記者が解説するボートレース人気“3つの要因”

posted2022/05/29 11:02

 
2010年に8000億円台だった売上が過去最高の「2兆3926億円」に激増… 現役記者が解説するボートレース人気“3つの要因”<Number Web> photograph by KYODO

女性初のSG制覇を達成した遠藤エミに続き、平高奈菜(写真)もSGオールスターの優勝戦に進出。女性レーサーたちがボートレースの人気を牽引している

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山内翔太

山内翔太Shota Yamauchi

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2021年度、前年度比114.1%の2兆3926億2126万1100円という過去最高の売上額を記録したボートレース。2010年度には8000億円台まで落ち込んだ売上が、なぜここにきて驚異的な成長を示しているのか。デイリースポーツ紙でボートレースを担当する山内翔太記者にその理由を聞いた。

 以前ボートレースが2兆2137億4629万900円という売上を記録したのは、バブル景気の恩恵を受けた1991年度のことです。他の公営競技も好調な時期でしたので、当時の売上はある意味で当然と言っていいものでした。

 対して、昨年度の最高売上は決して好景気とは言えない状況で作られたものです。いくつかの要因が考えられますが、なによりもまずボートレースの認知度が一時期とは比較できないほど高まったことが大きいのではないかと思います。

いかに「鉄火場」のイメージを払拭したのか?

 売上が底を打った2010年ごろは、単純にボートレースを知っている人の数が現在に比べて明らかに少なく、新規ユーザーを取り込めていない状態でした。バブルが弾けて、可処分所得は減少し、ファンも高齢化していくばかり。新たな層を開拓できず、やっていた人たちがやめていくだけでは未来がない。「これはまずいぞ」と業界全体が団結して、知名度アップとクリーンなイメージ作りに全力を尽くしていくようになったわけです。

 人気タレントを起用したCMをたくさん流して「明るく爽やかなスポーツです」と周知していくのはもちろん、各ボートレース場もそれぞれ改装を行い、以前に比べると本当に綺麗になりました。若い世代も足を運びやすい雰囲気に、見事にアップデートされています。

 かつてはボートレース場というと、いわゆる鉄火場のような空間を想像する人が少なくなかったはずです。ありていに言えば、舟券を握りしめたおじさんたちが水面際で叫んでいるような……。僕自身も、記者になる前はそんな印象を抱いていました(笑)。

 しかし今では、若い女性同士のお客さんや、小さなお子さんを連れたご家族の姿も珍しくありません。そんな光景は、5~6年前までほとんど見たことがなかった。たった数年でイメージチェンジに成功したのは、ボートレース業界全体の努力の成果だと思います。

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