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《独占》「リカは再び3アクセルを跳ぶでしょう」ブライアン・オーサーが語る紀平梨花への期待…五輪で羽生結弦について“無言を貫いた”理由は
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura/Getty Images
posted2022/05/12 17:02
紀平梨花、羽生結弦らを指導するブライアン・オーサーコーチが独占インタビューに応じた
今年の4月に2週間トロントに戻ってきたときは、主にトレイシー・ウィルソンとスケーティングの練習をし、デイビッド・ウィルソンとエキシビション用のプログラムの振り付けを行ったという。
「フリーは昨年、デイビッドが振付をした「タイタニック」があります。SPはどうするか、というのは小さな問題。まずは怪我を早くしっかり治して痛みをなくし、本格的にトレーニングを再開すること。今はカーディオトレーニングなどでスタミナを保つことにも気をつけています。骨折の治癒は順調にいってるので、GPシリーズから始められるでしょう。可能ならスケートカナダと、もう一つは日本(NHK杯)になるかもしれません」
「リカは再び3アクセルを跳ぶでしょう。でも同時に…」
ロシアの女子がいない来季、大技に挑むことは重要なのだろうか。
「怪我が治ったらリカは再び3アクセルを跳ぶでしょうし、彼女の3サルコウを見る限り4サルコウも跳べると思いますよ。彼女は身体能力が高く、技術的にプッシュしていきたいと願っているでしょう。でも同時に、シニア女子らしい表現力と美しさなどを磨いていくことも大切です。4年後には彼女は、年齢的にちょうど良い時期が来ます。今年の世界選手権の女子は、とても良い大会だったと思いました」
坂本花織、ルナ・ヘンドリックス、アリサ・リュウの3人が表彰台に上ったモンペリエ世界選手権は、4回転などの大技はなかったものの、シニアの女子らしい闘いだった。
「あのような演技をするには、すごいトレーニングの積み重ねが必要です。細部まで丁寧に練習していかないとできないのですから。ジェイソン(・ブラウン)のように。トップのシニア男子でも、あのように内容が詰まったプログラムを滑ることはなかなかできない。何に重点をおいて選択するか、だと思います」