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《独占》「リカは再び3アクセルを跳ぶでしょう」ブライアン・オーサーが語る紀平梨花への期待…五輪で羽生結弦について“無言を貫いた”理由は
posted2022/05/12 17:02
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura/Getty Images
5月6日、7日と9日の3日間、マンハッタンの総合スポーツ施設チェルシーピアにあるスカイリンクで、氷上のダンスカンパニー「Ice Theatre of New York」が35周年を記念するアイスショーを開催した。芸術監督モイラ・ノースが1984年に創設してから、これまで多くのゲストスケーターも招いて地道に活動を続けてきた。今回は20人ほどのメンバーの他、特別ゲストとして2003/2004年GPファイナルチャンピオンのエマニュエル・サンデューも演技を披露した。
最終日の9日はショーの後にガラパーティーが行われ、1984年五輪アイスダンスチャンピオン、英国のジェーン・トービル&クリストファー・ディーンのスケート界への功績が表彰された。式典のプレゼンターとしてブライアン・オーサーとトレイシー・ウィルソンが登場し豪華メンバーが顔を揃えた。オーサーコーチがパーティー終了後、本誌の独占インタビューに応じた。
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最初に、現在日本でアイスショーに出演している紀平梨花が、負傷で北京オリンピックシーズンを断念した経緯などについて語ってもらった。
「昨年の9月くらいにカナダに来た時に、クリケットクラブで彼女がジャンプをするのを見て、そのスピードと質の高さに思わずトレイシーと顔を見合わせました。これが、リカが世界で注目されてきた理由なのだ、ということを再認識したのです」
だが痛みで右足のトウピックをつくことができず、フリップなどは跳べなかった。
「その後、怪我の状況が思ったより悪いことがわかりました。検査の結果、単なる疲労骨折より骨のダメージが大きいことがわかった。私自身、現役時代に同じ場所を3回骨折しています。痛みを抱えながらスケートをするというのは、楽しいことではありません」
当初は全日本選手権のためにオーサーコーチも同行する予定だったが、関係者全員で話し合いをして北京オリンピックシーズンに休養を取ることを決定した。
「来季はGPシリーズから」現在のトレーニングは?
「リカはまだ若い。4年後に焦点を合わせて気持ちを切り替えることができて良かったと思っています。これからの4年間が、とても重要です。今は日本でショーに出ていますが、ジャンプは極力制限するように伝えています。幸いなことに骨は完治する。ユヅ(羽生結弦)のように、靭帯の負傷などはなかなか対処が難しいのですが、骨はきちんと休ませればくっつくので来季の競技は問題ないと考えています」